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2週間ぶりのソテリアに、大きな変化が! [精神保健医療福祉]

(2009年11月25日(水)の活動日記その2)

● 2週間ぶりのソテリアに、大きな変化が!

 さて、2週間ぶりに訪れた『東京ソテリアハウス』には
 大きな変化がありました。

 それは...

 ギターが置いてありました。
 やっぱり『No Music,No Life!』ですから必需品です。

25guitar.jpg

 さらに、本棚には大熊一夫さんの最新ルポ、
 『精神病院を捨てたイタリア、捨てない日本』が!

 最終章には、東京ソテリアハウスのことが紹介されています。
 ぜひみなさま、読んでみてくださいね。

25intheshelf.jpg

 そして、テーブルには
 名著『知って安心 メンタルヘルス12の福祉サービス』や
 スポーツ関係の本と一緒に

 『ペットの飼い方』についての本も置かれていました。

25onthetable.jpg

 前回のフォーラムの最後で、ソテリア代表の野口さんが

 「ぜひソテリアでは犬を飼いたい」

 とおっしゃっていたのですが...!

 そうなのです。

 フジノ的に『2週間ぶりの最大の変化』は
 子犬の『ワコちゃん』登場でした。

25wakochan.jpg

 かわいい!

25wakochan2.jpg

 このかわいい姿から、
 大型犬になるのはちょっと想像がつかないのですが
 これからどんどん大きく成長していくそうです。

25wakochan3.jpg

 IKEAの美しい家具に、かわいい子犬。
 これだけでとても気持ち良く過ごせますね~。


 (その3へ続きます)

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東京ソテリアハウスへの再訪/新しい日本の精神保健福祉へ [精神保健医療福祉]

(2009年11月25日(水)の活動日記その1)

● 東京ソテリアハウスへの再訪/新しい日本の精神保健福祉へ

 今日、再び東京ソテリアハウスへ行ってきました!

 前回の訪問からわずか2週間しか経っていないのですが
 見学としては
 今回が実質的な『ラストチャンス』でした。

 『ソテリア』の国際的なルールで決っているのですが
 入居者が1名でも居る場合(つまり、いったんスタートしたら)
 外部の人間の見学は
 基本的に許可されないのです。

 東京ソテリアハウスは、早ければ来週にも
 1名の入居がスタートするそうです。
 だから本当に見学のラストチャンスでした。

 (もちろん、入居を希望する方々の見学は当然ながら可能です。
  あくまでもふつうの『住居』なので、
  外部の見学はありえない、ということなのです)

 1969年に始められた『ソテリア』は
 今では世界中に広がっていて
 北米・ヨーロッパ・オセアニアなど多くの国々に存在しています。
 その『ソテリア』としての共通のルールがあります。

 今回フジノが見学をお願いしたのは、
 フジノひとりが見るということでは無くて

 『東京ソテリア』がスタートする前の姿を

 ・日本の精神保健福祉に新しい息吹を吹き込んでいる
  『NPO地域精神保健福祉機構』(略称コンボ)の方々に
  見ていただきたかったことと

 ・東京ソテリアハウスの所在地である江戸川区の
  地元の政治家の方に見ていただきたかったこと

 の、2つの理由からです。

 特に、『ソテリア』と『コンボ』という2つの新しい流れは
 同じゴールへとつながっているとフジノは感じていますので
 ぜひ密接につながってほしかったのです。

 そして、地元の政治家の方々には
 江戸川区から日本の精神保健福祉を変える可能性を持つ
 新しい取り組みがスタートしようとしていることを理解してほしかったのです。

 (フジノが知っている江戸川区議は1人しかいませんので、
  自殺対策の地方議員有志の会で一緒に活動していただいている
  滝沢やすこさんに声をかけさせていただきました)


 『ソテリア』の取り組みは、
 これから数年間の後に『浦川べてるの家』や『ACT』などと同じように
 絶対に高く評価されるようになるはずです。

 その根拠はあくまでもフジノが
 精神保健医療福祉に関わってきた約18年間を通しての
 『直感』でしかありません。

 でも、その直感に確信をもっています。

 『次』の機会がありえない訳ですから
 絶対に今、訪問しておかなければいけないと感じました。

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 それにしても新小岩・南口のアーケード街は
 今日も人出が多かったですね~。

 前回は日曜日だったから混んでいたのかと思ったのですが
 こんな風に活気がある商店街はうらやましいです。

25shinkoiwa.jpg

 さて、そんな活気ある商店街のどまんなかを
 曲がってわずか2ブロック先の住宅街に『ソテリア』は位置しています。

 本当にふつうのまちなかにあるという『事実』に
 フジノはとてもうれしさを感じます。

 『ソテリア』の門の前で、
 フジノはうれしさいっぱいですね。
     ↓
25fujino.jpg

 そして、コンボから来て下さったみなさまです!

 左から、山内さん、増川さん、丹羽さん、秋山さん。

 最近、フジノ宛に『WRAP(元気回復行動プラン)』について
 お問い合わせメールをいただくことが多くなってきましたが、

 増川さんはWRAPファシリテーターをして下さっています。
 フジノがWRAP作成の集中クラスを受けた時にも
 増川さんがファシリテーターをして下さいました。僕はとても彼が大好きです。

25everyone.jpg

 玄関のドアを叩くと
 代表の野口博文さんがみずから迎えてくれました!
 (野口さん:http://soteria.jp/persons/

25MrNoguchi3.jpg

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 ここまで書いていて、ふと

 「どうして野口さんはソテリアへたどり着いたのだろうか」

 と、思いました。

 実は、フジノはそのことを
 野口さんに直接お聞きしたことはありません。

 大熊一夫さんの著作の最終章の中で、
 野口さんのこれまでがちょっとだけ触れられています。

 野口さんは、大学では教育学を専攻されました。

 卒業後、児童養護施設で働いた後に、
 障がい者職業センターで障がい者職業カウンセラーとして勤務。

 精神・神経センター精神保健研究所に移ってからは社会復帰相談部へ。
 精神医療のモニタリングや『ACT-J』の就労支援を担当した後に、
 さらには司法精神医学の研究部へ配属されたこともあるそうです。

 そして、スイスに赴いての研究。

 そうした日々の仕事のかたわら、
 様々なセルフヘルプ(自助)グループで
 ボランティアをなさってきたそうです。

 こうした野口さんのキャリアから
 フジノが勝手に推測するのは、

 様々な状況によってふつうの暮らしから切り離された人々を見つめながら
 「本当ならば誰もがふつうに暮らしていかれるはずなのに」と
 野口さんは常に考えてこられたのではないか

 ということです。

 本来ならば、親子で共に暮らせるはずのこどもたちが
 様々な理由で離れて暮らさねばならなくなってしまっている
 児童養護施設でのこどもたちとの日々をはじめ、

 障がいがあるというだけのことで
 学校や、地域や、職場や、社会のあらゆる要素から
 どんどん切り離されてしまう日本の現実の中で

 何故、共に暮らし、共に生きていくことが
 この国ではできないのだろうかと

 野口さんは考え続けてきたのではないかと
 フジノは推測してしまいました。

 アメリカのモシャー博士が実践してきたソテリアという取り組みは、
 『専門家による専門性』では『無い』ことを大切にしてきたものだと
 フジノは受け止めています。

 ソテリアでは、人と人とが共に暮らし生きていくことができるはずです。

 何かあったらすぐ入院、何かあったらすぐクスリを増やす、
 そんな在り方とは逆のスタイルがソテリアだとフジノは受け止めています。

 日本では精神科病院をいつもメインに置いて
 クスリを基本にした治療がどーんと大きな位置を占めてしまっています。

 けれども、世界の精神保健福祉を見渡した時には
 日本のやり方は決して常識なんかじゃないのです。

 モシャーさんのソテリア方式を
 あえてこの日本で野口さんが挑戦するということは

 物理的に見れば、最初は4人だけが暮らす
 2階建てのケアホームに過ぎないかもしれません。

 けれどもその一歩は、
 実に大きな未来へとつながっているのだとフジノは思うのです。

 つまり、日本の常識が、実は世界的に見たら
 非常識であることを気づかせてくれることへつながっている、

 そうフジノは願っています。



 ...ソテリアへの思い入れが強すぎて長く書きすぎてしまいました。

 (その2へつづきます

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初めて書評を執筆しました/精神病院を捨てたイタリア、捨てない日本 [精神保健医療福祉]

(2009年11月18日(水)の活動日記)

● 初めて書評を執筆しました/精神病院を捨てたイタリア、捨てない日本

 フジノのヒーローである大熊一夫さんの
 最新の著作である『精神病院を捨てたイタリア、捨てない日本』の
 書評を書いてほしいという依頼をいただきました。

 (本はこちらでお求めを!:http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0236850/top.html

 下の写真でフジノが持っている本が、それです。
 そしてフジノの左にいらっしゃるのが大熊一夫さんです。

 (11月7日・東京ソテリアのイベントでのひとこま)
07withMrOhkuma.jpg

 依頼をしてくれたのは、NPO地域精神保健福祉機構(略称コンボ)の
 月刊誌『こころの元気プラス』来年1月号の分です。

 講読制(あらかじめ購読登録しておかないと買えない)の雑誌なのですが
 マスメディアでとても多くとりあげられたこともあって
 全国的に大変人気な本なのです。

 かつてこの雑誌で1度だけ、
 今年1月号の特集で執筆させていただきましたが
 (http://www.hide-fujino.com/diary/2009/jan3.html#090115

 その後、かなりの反響をいただきました。

 某大学でフジノが講演することが決まったのも
 この雑誌での特集を読んでいただいたからなのですね。

 この雑誌に文章を書くことは、フジノの夢の1つでしたので
 こころからうれしい、とても光栄なことです。

 しめきりまで1週間しかなかったのですが、
 すでにフジノはこの本を3回も繰り返し読んでいました。

 さらに、編集者の方の

 「フジノさんは昨年会った時にも、
  (http://www.hide-fujino.com/diary/2008/oct2.html#081016

  バザーリア(イタリア精神医療改革の父)について熱く語っていたから、
  この本の書評を書くのはまさに適任だと思うんです」

 と言われました。

 確かにイタリアの精神病院廃止の取り組みを起こした
 リーダーの1人であるバザーリアについてだけでなく

 イタリアの動きにはとても注目し続けています。

 さらに、大熊一夫さんの40年間のジャーナリスト活動を
 こよなくリスペクトしているフジノにとって

 書評を書くなんておそれおおい気持ちもありましたが、
 同時に、大きなうれしさもありました。

 そこで、引き受けることに決めました。

 決して「安請けあい」ではなくて、
 あらかじめ、何パターンかの原稿を思い浮かべてから
 引き受ける決心をしました。

 それから1週間...。

 思いっきり、『難航』してしまいました。
 大熊さんへの思い入れがフジノには強すぎました。

 単にこの本の書評であると同時に、
 大熊一夫さんのジャーナリストとしてのこれまでを詰め込んだ
 すごい分量になってしまいました。

 依頼された文字数を2倍以上も超える状態から
 いくら推敲を重ねても、いっこうに文章を削ることができません...。

 そこで、最後は編集の方にお願いして
 ざっくりとカットしていただくことにしました。

 さすがプロの編集の方はお見事で
 フジノの伝えたい意図は尊重してくれたままに
 分量を半分にしてくれました。

 ありがたいことです。

 こころからリスペクトしている大熊さんの著作が
 少しでも多くの方々に読んでもらえて

 精神病院が無くても地域精神保健福祉サービスの充実で
 重い精神障がいのある方々でも誰もが地域で暮らしていかれる

 という常識が、日本にも根付いていくことを願っています。

 『こころの元気プラス』1月号は、
 来年1月15日頃に届く予定です。

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東京ソテリアが紹介されました!/JANJANニュース [精神保健医療福祉]

2009年11月14日(土)の活動日記その3)

● 東京ソテリアが紹介されました!/JANJANニュース

 フジノが11月7日に見学させていただいた
 NPO東京ソテリアが運営している『ソテリア・ハウス』について

 インターネット新聞の『JANJAN』
 ドーンと記事を載せて下さいました。

 タイトルは、

 「東京ソテリア」精神的疾患を持つ人のためのグループホーム誕生

 です。
 (記事全文はこちら

 執筆して下さったのは、三井マリ子さんです。

 それにしても...

 お風呂場であまりにもうらやましそうな顔をしているフジノを
 三井さんにバッチリと撮影されてしまいました!

 記事にも

 >一緒に見学した藤野英明さん(横須賀市議)は
 >特に浴室が気に入ったのか、「すごい!」と声をあげた。

 と書かれてしまった(笑)

 三井さん、さすが。

 確かにフジノ宅のお風呂の面積の2倍以上もあるからって
 どんだけお風呂がうらやましいんだよ~、おれ!


 (JANJANの記事より引用)
14janjan.jpg

 たぶん訪れたみなさまがソテリアで1番好きな場所は、
 見晴らしの素敵な屋上か、
 バーベキューもできるウッドデッキのどちらかだと思いますが
 僕はお風呂が1番好きです!

 それにしても、写真のフジノ、
 「温泉いきたい...」という無言の欲求があふれでてますね。 


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 フジノは『東京ソテリア』に本気で期待しています。

 今月25日には、フジノは再び見学に訪れるのですが
 1人で行くのはとてももったいないので

 NPO地域精神保健福祉機構(コンボ)の方々3名と、
 ソテリアの所在地である江戸川区の区議会議員の方1名を、
 一緒にお誘いしました。

 大熊一夫さんがずっとイタリアの精神保健医療福祉改革を追いかけたように
 フジノはできればずっとソテリアを定期的に訪れたいと考えています。

 ソテリアのみなさま、がんばって!
 こころから応援しています。

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東京ソテリアハウスへ!/実際に見学させていただきました [精神保健医療福祉]

2009年11月7日(土)の活動日記その5)

● 東京ソテリアハウスへ!/実際に見学させていただきました

 なんとシンポジウム終了後に、
 実際にソテリアを見学するチャンスに恵まれました!

 ソテリアはふつうに街なかにあります。

 JR新小岩駅の南口に、アーケード街があります。
 このアーケードの途中で(大きなたこ焼き屋さんの所です)右折して
 徒歩1分のところにソテリアはあります。

07shoppingmall.jpg

 アーケードを1ブロックだけ離れたところですから
 繁華街にめちゃくちゃ近い、住宅街の中に位置しています。

 下の写真は、ソテリアの玄関です。

 玄関のすぐ脇は、ウッドデッキにつながっています。

 また、2階へと続いている階段もありますので、
 玄関を通らず直接に自分の暮らす部屋に入ることもできます。

07entrance.jpg

 廊下を抜けると、リビングです。超おしゃれ!

 白で統一されたイケアの家具、
 テレビを観ながらみんなでくつろげるソファ。

07living.jpg

 L字型のキッチン。
 牛の模様のケトルが可愛いですね。

07kitchen.jpg

 ダイニングキッチンは広々としていますから、
 みんなで一緒にごはんを食べられますね。

07dining.jpg

 スタッフと会話をしたり、
 外を眺めたり、自由にくつろげるスペースです。

07talkingspace.jpg

 リビングから外に出ると、ウッドデッキがあります。
 ここでは、みんなでバーベキューもできます。

07wooddeck.jpg

 お風呂です。僕の暮らしているアパートよりも広くてきれい。
 うらやましい限りです。

07bath.jpg

 トイレと洗面台。

07toilet.jpg

 ここは、宿泊するスタッフが
 寝る為の部屋ですね。

07staffsroom.jpg

 さらに、階段をあがって、2階へ向かいます。

 1階がみんなが共同で使えるスペースで、
 2階が1人1人が暮らす個人の部屋です。

07secondfloor.jpg

 それぞれの部屋の中にも入らせていただきました。

07room.jpg

 部屋から直接に外に出て、階段をあがって屋上に行くことができます。
 鍵の管理はもちろん自分自身です。

 屋上の景色。

07viewfromtop.jpg

 屋上から玄関をみおろした所。
 すごく素敵な感じですね。

07fromtop.jpg

 率直に、僕も暮らしたい感じ。
 とてもいいですね~。

 あのモシャーさんがサンフランシスコで実践した『ソテリア』が
 ここ東京でスタートするんですね。わくわくします。


● 見学を終えて/大熊一夫さんとのひととき

 見学を終えた後、ソファーに座って
 大熊さんとじっくりいろんなことを語りあいました。

 いや、語り合うなんておそれおおいなあ...。

 ヒーローの言葉をひとことも聞き逃さないように
 必死に耳を傾けていたというのが本当のところですね。

 長野県にある大熊さんのお宅を訪れているような
 あまりにもくつろいだ気持ちになってしまいました。

07relaxmen.jpg

 大熊さんの新著の最後は、イタリアの話ではなくて
 日本の政審保健福祉の新しい動きについて記されて終わります。

 そこにはここ、東京ソテリアも登場します。
 大熊さんも強い思い入れを持って、東京ソテリアを見つめています。

 フジノもしっかりとこのチャレンジを見つめて、応援して、
 できれば日本中に広めるお手伝いができればと願っています。

 ソテリアのスタッフのお2人、三井マリ子さん、フジノ、大熊さん、です。

07everyone.jpg

 東京ソテリア、必ず成功するはずです。

 この取り組みを、横須賀でも行ないたい。
 早くもっと自分が力を持って動けるようになりたい。

 この国の精神保健福祉を変えなければいけない。

 そう強く感じています。

 かつて、大熊さんが『ルポ精神病棟』を連載した時、
 彼はわずか32才でした。今のフジノよりも若かったのです。

 大熊一夫さんが最前線に立って闘いを始めてから
 もう40年近く経っています。 

 今なお我が国の現状は、精神疾患のある方々に対して
 あまりにも厳しく、改善の歩みは遅々としています。

 こんな『国の在り方』は明らかに間違っています。

 もう決着をつけなければいけない!

 大熊さんが闘ったように、今度は僕たちが闘っていかなければ。

 東京ソテリアのように、すでに立ち上がっている人々を
 一生懸命応援していきたいです。

 そして、政治家として成すべきことを果たすだけではなく、
 必ず自分自身が新しい精神保健福祉の取り組みに乗り出したいです。

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精神科病床数がこれほど多い日本は間違っている!/ソテリア(その2) [精神保健医療福祉]

2009年11月7日(土)の活動日記その3)

● ソテリア~精神障がいから回復するよろこびを知る~(その2)

 (その2からの続きです)

 残念ながらフジノは
 乗り継ぎのカンケーで遅刻してしまったので、

 プログラム2の
 『「ソテリア」とはなにか』から参加しました。

 ソテリアについてはその2でカンタンに説明をしましたので
 ここでは省略いたします。


 次に、プログラム3として
 ジェローム・エンドラスさん(スイス・チューリッヒ大学)からの
 メッセージが読みあげられました。

 タイトルは『社会とソテリアとの統合』です。

 本来は来日を予定していたそうなのですが、
 仕事のカンケーで実現せず、今回はメッセージ参加となりました。

07message.jpg

 翻訳して読んでくれたのは、われらが久永文恵さんです。

 フジノはエンドラスさんのことは全く知らなかったので、
 紹介されていた文章をそのまま引用しますね。

 > ジェローム・エンドラス(Jerome Endrass)心理学博士
 >
 > チューリッヒ大学およびチューリッヒ州法務局において、
 > 精神障がいの回復のリスク要因に関する研究を行っています。
 >
 > 精神科医療機関や社会復帰施設等における
 > 治療や介入の効果について検証しており、
 > 学術的と同時に政策的に高い評価を得ています。
 >
 > また同大学において、
 > 社会的統合(social integration)に関する専門教育を提供し、
 > 医療・保健福祉および司法の従事者の
 > 処遇技能の向上に寄与しています。
 >
 > 過去に三度来日しており、
 > 日本の精神保健システムにも深い理解をもっています。

 とのことでした。


● 精神科病床数がこれほど多い日本は間違っている!

 続いて、プログラム4.『意見交換』では
 4人のスピーカーからお話がまずありました。

 1人目は、国立精神・神経センターの
 瀬戸谷雄太郎さんによる
 『ソテリアの必要性:我が国の現状に照らして』です。

07MrSetoya.jpg

 なかなか減らない日本の精神科病院について
 現状についてお話がありました。

 瀬戸谷さんは、今後は必ず病床数(=ベット数)は減っていくと
 割と明るい見通しを持っているようでした。

07quantity.jpg

 かたや、フジノは
 否定的です。

 厚生労働省は、介護療養病床は廃止しようとしていたくせに
 精神病床だけはすさまじい数を残そうとしてきました。

 本当ならば、在宅中心の精神保健福祉サービスを充実させれば
 精神科病院なんて廃止できるし、病床数も減らせるのです。

 それなのに、下の表を見ていただけばすぐ分かるのですが
 先進国の中で日本だけが
 すさまじい数の精神病床を維持しています。

07graph.jpg

 人口1万人あたりの精神病床数は28で、
 先進国では最も多いワースト1位です。

 平均在院日数も320日で(2006年)、
 世界の中では絶望的に長いのです。

 「在宅時代なんか到来していない」(大熊一夫さん)

 という意見にフジノは同感です。

 『入院中心主義』の日本の精神保健医療福祉。
 これを変えていかねばいけない。

 本来これを変えていくには、トップダウンで
 政府がしっかり方針転換をしなければいけません。

 しかし、ボトムアップで変えていこう、という動きの1つが
 この『ソテリア』だとフジノは受け止めています。


 (その4に続きます)

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ソテリア~精神障がいから回復するよろこびを知る~ [精神保健医療福祉]

2009年11月7日(土)の活動日記その2)

● ソテリア~精神障がいから回復するよろこびを知る~

 今日は、新小岩の江戸川区民センターにて
 NPO法人東京ソテリア主催のシンポジウムに参加してきました。

 『東京ソテリア』のスタートを
 フジノはこころから歓迎しています。

 日本の新しい精神保健福祉の希望が輝きはじめた
 と言える出来事だ、とフジノは受けとめています。

07logo.jpg

 このHPを読んでいるほとんどの方々にとって、
 『ソテリア』って全く知らない単語だろうなあと思います。

 たぶん精神保健医療福祉の業界の方々にも
 まだまだあまり知られていません。

 あえてひとことで言えば、『ケア付きの共同住宅』なのですが
 もちろん、ただの共同住宅ではありません。

 精神疾患というのは、病院での入院治療よりも
 地域で暮らしながらサポートを受けていくことの方が有効なのですね。

 『人間としての尊厳』という意味だけでは無くて
 病気による苦しみからもより解放されるという意味でも
 有効なのだ、ということです。

 今では当たり前になっているこの『事実』を
 世間に対して明らかにしたのが
 ロレン・モシャーさん(アメリカ・精神科医)の研究です。

 地域の小さな家庭的な施設(治療共同体と呼びます)で
 抗精神病薬を使わないで共同生活したの患者さんと

 総合病院の精神科に短期入院して
 通常の抗精神病薬による薬物治療を受けた患者さんとを

 2年間にわたって追跡調査して
 比較した研究があります。

 結果は、地域で暮らしていた方々の方が
 明らかに予後が良かったのです。

 (詳しいことを知りたい方は、ぜひこちらを読んでみて下さいね。
  『コミュニィメンタルヘルス』中央法規出版です...と書いていて気づいたのですが
  この本は現在では入手困難になっていて、アマゾンでは中古が2万5000円!ですね。
  図書館で読むしかなさそうですね。良書なのに、ひどいなあ...)

 この「地域の小さな家庭的な施設」こそ
 アメリカのカリフォルニア州サンノゼにある『ソテリア』です。

 このサンノゼの『ソテリア』の理念と方法を
 日本で実現していくのが『東京ソテリア』なのです!

 そのスタートにあたって、
 今回のフォーラムが開催されることになった訳です。

 フジノはうれしくて
 大喜びで新小岩まで向かいました。


 (その3へつづく)

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バーチャル・セデーション体験@ウェルシティまつり [精神保健医療福祉]

2009年10月25日(日)の活動日記その1)

● バーチャル・セデーション体験@ウェルシティまつり

 今日はなんだかずっと小雨が降ったり止んだりしていましたね。
 メインの移動手段がバイクのフジノにとって、
 小雨が一番悩ましいところです。

 さて、毎年必ず訪れることにしている『ウェルシティまつり』
 今年も行ってきました!

25wellcityfestival.jpg

 逸見にあるウェルシティ(すこやかんの入っている建物です)で
 年1回開催されているこのイベントは、
 フジノにとって、特に思い入れがあります。

25entrance.jpg

 『ウェルシティまつり』は同時に
 『健康よこすか21まつり』でもあるのですね。

 主催も保健所でして
 このイベントでは市民のみなさまに
 楽しみながら健康になっていただくことを目指しています。 

 このイベントの場で、
 政治家フジノのメイン政策である『精神保健福祉の向上』にむけた
 取り組みの1つが行なわれているのですね。

 それは、

 バーチャル・ハルシネーションなどによる『疑似体験』を通じて
 精神障がいや発達障がいに対する理解を深めていただく、

 というものです。

25fujino.jpg

 すでにたくさんの市民のみなさまに
 体験していただいたバーチャル・ハルシネーションですが
 かつて、地方自治体で体験できるのは横須賀市しかありませんでした。
 (本当に全国に先がけて導入したのですよ~)

 さらに、今年からは新たな取り組みも
 2つスタートしました。

 1つが、『バーチャルAD/HD』です。

 発達障がいの1つである注意欠陥多動性障がい(AD/HD)を
 疑似体験できるマシンがヤンセンファーマ社によって開発されたのですが

 全国の自治体で初めて、横須賀市教育委員会は
 『バーチャルAD/HD』を研修の場で体験する、という試み
 すでに今年おこなっています。

 なんとそれをさらに拡大して、ウェルシティまつりの中で
 市民のみなさまが誰でも擬似体験できるようにしたのです!

 これは本当に素晴らしい取り組みです。


 そして2つ目が、『バーチャルセデーション』です。

25vss.jpg

 100人に1人の割合で誰もが発症しうる精神疾患で
 統合失調症というものがあります。

 日本では、この病気の治療にあたって
 たくさんの種類のクスリを大量にドクターが処方しています。

 これを『多剤大量』と呼んでいます。

 (例えばこちらの解説をご覧ください)

 わが国の精神医療はあまりにも遅れていますが
 そのたくさんあるダメな点の1つがこの多剤大量の処方です。

 精神的な病に対して処方する
 クスリのことを『抗精神病薬』と呼びますが、

 抗精神病薬は統合失調症の症状を抑えてはくれるのですが、
 たくさん使用してしまうといろいろな副作用が出てしまいます。

 手が震えて止まらなかったり、いつも眠気がしてしまったり、
 めまいが起こったりふらふらしてしまったり、
 何もする気が起きなくなってしまうことがあります。

 これらは統合失調症の症状ではなくて
 クスリの『副作用』によって引き起こされているのです。

 だから、諸外国の常識として『薬は1種類だけ』です。

 これを『単剤投与』といって、当たり前の原則になっています。

 逆に、日本ではクスリ漬けにしてしまうのです。
 本当におかしいでしょう?アタマにきます。

 さて、そんな多剤大量のクスリ漬けにされてしまった
 この国の精神疾患のある方々は副作用に苦しめられている訳ですが

 まわりのご家族や医療従事者は、副作用の苦しみが分からないのです。
 自分が体験したことが無いから、分からないのです。

 そして、ドクターが処方したものだから
 絶対に正しいものだと信じ込んで

 「クスリをのみなさい。必ず飲まなきゃダメ!」

 と、言ってしまうのですね。

 でも、クスリをのむ側からすると、いろんな副作用が出るから
 なかなかクスリをのみたくないのです。
 ずっと日本ではこんな悪循環が続いてきました。

 多剤大量を日本の精神科医療がやめるには
 ドクターの意識改革だけでなく、
 政府が今の診療報酬をガラッと変えなければいけません。

 けれども、何十年も続いているこの間違ったやり方を
 すぐに変えるのはなかなか難しいようで、

 そこでまずは過剰に処方されたクスリをのみつづけると
 こんなに苦しくなってしまっているんですよ、ということを

 医療従事者や福祉関係者やご家族に擬似体験してもらうことで
 クスリをのんでいる本人の苦しみへ共感・理解をすすめよう、

 というのが『バーチャル・セデーション』なのです。

 横須賀市では市民のみなさまに体験してもらう場として
 ウェルシティまつりでコーナーを設置しているのです。

 (自画自賛してしまいますが、他のまちで
  ここまで取り組んでいるところはなかなかありません)

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 とは言っても、決して特別なことをする訳ではありません。

 まずは基礎的な知識を分かりやすく紹介する
 5分ほどのビデオを観ていただきます。

 内容は、上の文章でフジノが説明したようなことですね。

25vss1.jpg

 次に、モニターの付いているバイザーを頭に付けて、
 ヘッドフォンを耳に付けます。

25vss2.jpg

 このモニターの映像とヘッドフォンの音声を聞きながら
 5分間ほど、カンタンな作業をするのですね。

 例えば、電話がかかってくるのでそれをとって会話したり、
 指定された番号をプッシュしたり。

 あるいは、モニターに映しだされる記号を書いてみたり。

25vss3.jpg

 バイザーを付けていなければとてもカンタンな作業が
 全く思うようにできなくなってしまいます。

 『バーチャルセデーション』では、あなたが行なったこの作業を
 100点満点で点数化してくれます。

 ちなみにフジノの場合、バイザーを付けなければ
 100点満点だったのが、バイザーを付けたら44点しか取れませんでした。

 実際、フジノはふだんから服薬をしていますから
 あえて『バーチャルセデーション』を付けなくても
 こうした体験をリアルにしていますから、分かるんです。

 (あ、でも僕の現在のドクターはとても優れている方なので
  多剤大量されたことはありません。
  ふだん僕のクスリは1種類ですし、
  調子が悪くなってクスリが増えた時でも3種類くらいです)

 ともかく、こうした現実を1人でも多くの方々に
 疑似体験していただいて理解してもらうことで

 クスリをのんでいる本人がどうしてそういう行動を取ってしまうのか、

 例えば、いつも眠そうにしていたり、手がガクガクしていたり、
 落ちつきなく歩き回ってしまったり、とか、

 過剰な投与による副作用が原因なんだよ、と知ってほしいのです。

 その為にも『バーチャルセデーション』は
 割と有効なツールだとフジノは考えています。

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 先ほども書きましたが、日本の精神医療が
 この間違った『多剤大量』という在り方を変える兆しが見えてきました。

 例えば、他の国では当たり前に使われているクスリが
 日本ではいつまで経っても承認されないから使わせてもらえない、
 ということがたくさんあります。

 (子宮頸がんのワクチンもそうでしたよね?)

 精神科のクスリでも良いものが諸外国にはあるのです。

 (例えば、専門用語でごめんなさいなのですが、
  最近のデポ剤にはとてもいいのがあります)

 こうしたクスリが少しずつ承認されはじめています。

 また、多剤大量は間違いだから
 そういう治療には診療報酬を下げてしまおうという動きもあります。

 診療報酬が下がってしまえば病院は収入が減りますから
 多剤大量をやめて『単剤投与』にならざるをえません。

 最終的にはドクターの意識が変わることも不可欠ですが
 こんな風に外堀を埋めていくことも大切ですよね。

 ●

 フジノは政治家になって、もう約7年近く経つのですが
 いまだに尋ねられる同じ質問が

 「地方の政治家で無所属では、何もできないんじゃないですか?」

 というものです。

 それに対する7年前からフジノの答えは同じです。

 「いいえ、いち地方議員でも国会議員よりも働くことができますよ。
  人の意識を変えたり、制度を変えるスタートは
  いつだってたった1人の行動で十分なんです」

 これは本気です。

 『バーチャル・ハルシネーション』も
 『バーチャルAD/HD』も
 製薬会社の熱意ある1人の方の行動によって
 開発が進みました。

 もちろん協力者はたくさんいるのですが、
 その方の熱意が実現に結びついたのです。

 全国初で横須賀市がこれらを体験できるように実現できたのだって
 その熱意ある製薬会社の方に
 フジノのしつこいほどの熱意が届いたからこそ
 実現したのです。

 もちろん保健所健康づくり課精神保健福祉班の理解があって
 保健所や健康福祉部や教育委員会などの
 多くの方々の協力と尽力があるからこそ
 実際にはできたのですが

 何よりも大切なのは「精神疾患を理解してほしい!」という想いです。

 必ずこの国から偏見・差別・スティグマは
 無くすことができると信じています。

 信じているからこそ、行動を起こすのです。
 必ず、やればできるのです。

 どうか全国の精神保健福祉関係者のみなさまも、
 いろいろな形でアクションをどんどん一緒に起こして下さいね!

 一緒にがんばっていきましょうね!

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 保健所のみなさま、ヤンセンファーマ社の熊野さん、
 大塚製薬のチームのみなさま、本日はありがとうございました!

 市民のみなさま、どうか来年も開催できると思いますので
 ぜひあなたも来年は体験してみて下さいね。

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県外視察を欠席させていただきました/パニック障害の診断書 [精神保健医療福祉]

(2009年10月13日(火)の活動日記)

● 県外視察を欠席させていただきました/パニック障害の診断書

 本来でしたら、教育経済常任委員会のメンバーであるフジノは
 今日から2泊3日で『県外視察』へ出発していたはずですが
 『欠席』とさせていただきました。

 政治信念として『県外視察を廃止すべき』と
 かねてから提案をしてきたのですが

 現在の横須賀市議会では、
 『委員会規則』で出席が義務づけられている『正式な公務』です。

 正式な公務ですからフジノ個人の信念とは別に、
 当然ながらフジノにも『出席すべき義務』があります。
 『義務』を守るのは『公人』として当然のことだとフジノは考えています。

 ですから、今回の欠席は、
 個人的な政治信念とは全く別の理由です。

 (どうかこの点をまずご理解ください)

 今回の欠席の理由は、『パニック障害』による病欠です。

 市議会から診断書の提出を求められましたので
 下に、その診断書のコピーを掲載いたします。

13diagnosis.jpg

 フジノは22才の夏からパニック障害にかかってしまい、
 それ以来、バスや電車などの
 交通機関をはじめとして、
 エレベーターやエスカレーターなどにも
 ストレートに乗ることができません。

 日頃は、クスリをのみながら
 いろいろな工夫をして目的地に到着しています。

 例えば、特急電車には乗らずに各駅停車を乗り継いだりすることで
 1時間で行かれる場所ならば数時間かけて向かったり、

 飛行機を使うような遠距離の移動が必要な場合には
 前日から新幹線(各駅のヤツです)を利用して
 1日かけて移動をして、前の日のうちになんとか到着して
 翌日に合流するような形で何とかスケジュールをこなしてきました。

 エレベーターやエスカレーターは
 たいていの場合、階段を使うことでクリアしてきました。

 バスや車には乗れないので
 バイクや自転車を使って移動してきました。

 映画会社での5年間の勤務の間も
 自宅から勤め先の有楽町までストレートに乗り継げば
 わずか1時間半で行かれる行程を
 2時間半から3時間以上かけて
 必死に通い続けました。

 目的地に到着してしまいさえすれば、仕事は完璧にこなします。
 交通機関などの利用が困難なだけで、
 あらゆる日常生活において問題はありません。

 だから、これまでの人生を通じて、パニック障害を理由にして
 仕事や何かの行事を欠席したことは1度もありません。

 病気を盾にするような『疾病利得』も
 1度もしたことはありません。

 どんな時でも根性と意地をつらぬいて、
 他の方々がまだ眠っていられる早朝から起きて出発して

 必死に、交通機関を乗り継いで
 乗っては降り、降りては乗りを繰り返しながら
 目的地へと到着してきました。

 しかし、残念ながら、今年は特に体調が悪く、
 横浜や品川くらいの行き慣れた場所であっても
 乗り降りを繰り返さなければ前に進むことができず、

 (父のお見舞いに使う江ノ電の30分でさえ苦しくてたまりません)

 移動に要する時間が
 あまりにも長くかかるようになってしまいました。

 その為、今回の県外視察において
 10名の議員の方々や議会事務局の方々と
 同じスケジュールでの移動はかなり困難だと判断いたしました。

 そこで、フジノの主治医の先生をはじめ、
 所属する教育経済常任委員会の正副委員長と
 議会事務局の方々と相談させていただき、
 あらかじめ『欠席』の決断をさせていたきました。

 正副委員長をはじめ、委員会メンバーのみなさま、
 議会事務局の随行の方々、

 そして誰よりも、視察受け入れ先のみなさまと
 視察に要する多額な予算を
 税金から出していただいている横須賀市民のみなさまに対して

 こころから欠席のお詫びを申し上げます。
 本当に申し訳ございませんでした。

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 世の中には、同じ病に苦しんでいる方々が
 たくさんいらっしゃいます。

 僕は大学4年の時に発症をしました。

 毎日、横須賀から高田馬場まで平気な顔で電車で往復していたのに
 ある日から突然に山手線に乗れなくなりました。

 全く家を出れないほどの症状が重い時期も長く続きました。

 けれども僕自身は臨床心理学専攻の人間ですから
 パニック障害の存在をそもそも知っていましたので
 ドクターに自分の症状を説明して
 治療を求めることに抵抗はありませんでした。

 クスリもそれ以来、のみつづけています。

 (残念ながら薬を使えばすぐに治る、というのは
  必ずしも全員にはあてはまりません。
  フジノはもう10年以上、服薬して闘病しています)

 当時、横須賀に新しく設立された
 同じ病気の方々の集まりである
 『横須賀パニック障害の会』にメンバーとして参加しました。

 (現在、同会は解散しました)

 自分自身の症状に本当に苦しみながらも
 多くの同じ病に苦しむ方々が克服しようとがんばっている姿に
 とても励まされました。

 だから、夢だった映画会社に就職が決まって
 通勤を始めて長距離を移動しなければならなかった5年間は

 この会のみなさまの姿に励まされて
 自分が外出できるようになったように

 僕が動けるように必死に通っている姿を
 会のみなさまにお見せすることで
 今度は自分が励ませる側になりたいと願ってがんばってきました。

 それが僕の長年の想いでした。

 ある日突然に政治家に転職しなければならなくなってしまい、
 勤め先はそれまでの有楽町から
 基本的に地元・横須賀のみになりました。

 無所属であるフジノは長距離の移動であっても
 1人きりで行動する為、
 新幹線を使うような移動であっても、

 誰か他人に迷惑をかけることはなく、
 今まで必死に乗り降りを繰り返してきました。

 繰り返しになりますが、交通機関などの状況だけが問題であって
 それ以外のあらゆる日常生活場面では全く問題がありません。

 だから、政治家としてあらゆる公務をこなしてきました。

 また、移動に関する問題を抱えている為、
 他人以上に努力をしてきたつもりです。

 僕は、自分のパニック障害を隠したことはありません。

 本当に多くの方々が苦しんでいるこの病の実態を知ってもらい、
 世間の理解が進むことで副次的な苦しみが減って
 多くの方々が生きやすくなることを願ってきました。

 今回、県外視察を欠席するというご迷惑をおかけしたことに
 こころからお詫びの気持ちを抱きながらも

 この機会をパニック障害への理解を促す
 チャンスにさせていただきたいと願って

 改めて、このような文章を書きました。

 どうか、同じ病気に苦しむ方々が
 少しでも早く苦しみから抜け出せますように...。

 誰もがかかる当り前の病気です。
 その当たり前を、この国では偏見が強くて
 助けを求めたくても他人に伝えることができません。

 どうか、この病気のことを知らない多くの方々が
 正確な知識を得て理解を深めていただけますように...。

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日本うつ病学会@東京に参加しています [精神保健医療福祉]

(2009年7月31日(金)の活動日記)

● 日本うつ病学会@東京に参加しています

 今日は東京・品川プリンスホテルで開催されている
 『第6回・日本うつ病学会・総会』に参加しています!

31jsmd6.jpg

 まずは、朝9時から11時30分まで
 シンポジウム『過労自殺:法律家と精神科医の対話』に参加しました。

31sympo2.jpg

 ディスカッションでは、高橋祥友先生が司会を勤められました。 
 高橋先生は自殺予防対策の日本の第一人者です。

 もしも高橋先生がいなかったならば、
 フジノは自殺予防対策を
 政治家として実践しようと決意できなかったと思うのです。

 アメリカの自殺予防対策の第一人者は
 シュナイドマンという方なのですが

 シュナイドマンさんの著作のほとんどを
 高橋先生が翻訳して下さっています。

 高橋先生がいらっしゃらなければ
 シュナイドマンさんの著作にも出会えなかった訳ですから
 二重の意味で、高橋先生にはとても感謝しています。

31discussion.jpg

 過労自殺の分野はフジノにとって、
 裁判の判例などについて完全に勉強不足な為に
 全く知識が無くてとても苦手です。

 けれども昨年来の
 あまりにもひどい雇用労働の現実を見るにつけても
 今年は過労自殺についても避けてはいられないという危機感があります。

 法律分野で過労自殺に関わっておられる方々と
 精神医学の分野で過労自殺に関わっておられる方々と
 ともに第一線で活躍しておられる方々のお話はとても参考になりました。

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 続いて、12時から13時まで
 ランチョンセミナー(お弁当を食べながら、講義を聴くことができます)
 『うつ病・自殺の予防におけるプライマリケア医の役割』
 参加しました。

31seminar.jpg

 すでに横須賀でも、
 プライマリケア医(もよりのかかりつけ医さんのことです)による
 うつ病への理解を深めて自殺予防対策に取り組んでいただく取り組みが
 始められています。

 これは、湘南病院の大滝先生のご尽力のおかげ
 横須賀市医師会の協力を得て進められている活動です。

 横須賀・三浦のように、
 人口に対してあまりにも精神科医が少ないまちでは
 ますますかかりつけ医のみなさまのご協力が不可欠です。

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 その後、15時から17時30分まで
 高橋先生によるレクチャー
 『自殺予防の基礎知識:自殺のリスク評価と精神療法に焦点を当てて』
 に参加しました。

31DrTakahashi.jpg

 講演が終わった後、たくさんの方々が
 高橋先生のもとへ名刺交換に行っていました。

 フジノもその列の最後尾に並びました。

 7月上旬に受けた自殺に関連する市民の方からのご相談で
 フジノ自身の対応をどうすべきだったのか/今後もどうすべきなのかを
 高橋先生にアドバイスをいただきたかったのです。

 大変お忙しい高橋先生なのにわざわざお時間を割いてくださって
 フジノの相談を聴いて下さいました。アドバイスもして頂きました。

 やっぱり高橋先生はすごい方です。

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 その後は、ポスターセッションに参加しました。
 最新の知見が展示されていて、すごく参考になりました。

 さらに、書籍の販売と共に、教育DVDや
 ドクター向けに商品の紹介も行なわれていました。

 うつ病の治療法の1つに
 太陽光と同じ波長を持つ光を毎日浴びるという
 光(照射)療法というものがあります。

 この新しい器具が開発されていて
 しかも個人でも買うことができる(約4万円)ということが分かって
 思わず買いたくなりました。

 日本うつ病学会の第1日目は、
 フジノはうつ病そのものについてのプログラムには参加せず
 自殺予防対策についてのプログラムのみを選んで参加しましたが、
 とても充実していました。

 やはりいつだってどんどん最新の知識を取り入れて
 全国でがんばって活動している方々の存在を感じて

 そして再びエネルギーをもらって
 日常に戻っていくことで、がんばれるのだと思います。

 今日は本当に勉強になりました。
 これからもがんばります。

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