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ついに校務支援システム導入へ/フジノの提案が2年越しで実現へ [教育]

(2010年2月23日(火)の活動日記その1)

● ついに校務支援システム導入へ/フジノの提案が2年越しで実現へ

 今日開かれた『教育経済常任委員会』では
 2009年度の補正予算案の審議がメインテーマでした。

 ただ、フジノは補正予算案とは全く別に
 個人的に強く注目していた2つの議案がありました。

 そのうちの1つについて、紹介します。

 それは、市内の小中学校・ろう学校・養護学校への
 『校務支援システム』の導入です。

 このシステム導入の『目的』は何かというと、

 生徒たちの学籍の管理や成績の処理などを
 ICTによってシステム化し、

 多すぎる校務を効率的に処理可能となって
 先生方が校務に費やす時間を短縮化できるようにすることで

 生徒たちと向き合える時間を増やすことです。

 今、現状としてあまりにも学校の先生方には
 処理しなければならないペーパーが多すぎるのです。

 「じゃあ無くせばいいじゃん」というご意見もそのとおりなのですが
 国や県や市は、学校側にあらゆる調査やデータの提供を求めています。

 それらの中には確かにムダなものもあるでしょうが、
 全てがムダということは無く、教育行政の為に不可欠なものもあります。

 ですから、先生方から書類仕事を全て無くすことは
 現実的に不可能なのです。

 日頃、フジノは若手の先生方と勉強会をさせていただいていますので
 たくさんの実情を聴かせていただいてきました。

 こうした事務処理があまりにも多すぎるせいで
 生徒たちと向き合う時間をとる為に
 熱意のある多くの先生方が学校に遅くまで残って作業をしたり、
 土日も祝日もカンケーなく働きづめになっている現実があります。

 そこで、ICTの活用を提案しました。

 ちょっと調べてみると、すでに全国の学校の中には
 『校務支援システム』というものを導入している学校がいくつかありました。

 むりやりわかりやすく説明してしまうと

 このシステムをパソコンに入れて活用することで
 全ての事務処理が短時間で片付けられるようなイメージです。

 校務支援システムを開発・販売しているNECのホームページから
 イメージ画像を引用させていただきますね。

23NEC.jpg

 緑の丸の中が『学校の中での情報共有コミュニケーション』です。

 学校には校長・教頭・教員・養護教諭をはじめ、
 事務職員・栄養士など、あらゆる職種の方々がいらっしゃいます。

 あえて時間を割いて全員集合して集まらなくても
 この全ての方々がみんな同じように情報を共有できるようになれば

 みんなが同じ問題意識を持って、
 学校の改善や効率化に取り組んでいくことができます。


 次に、黄色の丸の中が『教師の間での情報共有』です。

 生徒名簿の作成や共有をはじめ、
 1人1人の生徒の出欠席の管理や、クラスの時間割の作成や共有、
 成績の管理や通信簿の作成などあらゆることが可能です。

 もちろん、生徒指導の情報などのきめ細かな対応も
 先生同士がシステムを通じて情報共有を効率的にできることで

 現実の目の前の生徒たちに費やすべき時間を
 多く確保することができるようになるのです。

 これはもちろん、先生同士でのフェイストゥーフェイスでの対話や
 職員会議を行なうのをやめるという意味ではありません。

 先生があまりにも忙しい中で必要な情報のやりとりさえも
 時間が取れないような状況を打破する為の1つの『手段』です。

 例えば、成績表を作る為には、仮に科目が5教科あれば、
 数学の先生があるクラスの成績表を完成させるまで
 他の科目の先生はそのクラスの成績表をつけることができませんでした。

 でも、システムの上では全ての先生が
 同時に成績表に入力をすることが可能です。


 さらに矢印が2つあって、1つは『保護者』、1つが『教育委員会』ですが
 日頃、学校は保護者の方々とも教育委員会とも
 とても緊密に連絡をとりあっています。

 こうした中でも今までは
 効率的じゃないことがたくさんあります。

 例えば、今までは教育委員会からまわってきたおしらせを
 ペーパーで1人ずつの先生に順番に回して呼んでもらったりですとか
 職員室内の掲示板に貼っておいて各自が見るというような
 そんな情報共有の仕方がありました。

 けれどもシステムを入れることで全ての先生が自分のパソコン上で
 自分の見られるタイミングで
 必ずそのおしらせを見られるようになる訳です。

 保護者の方々への『学級通信』などもシステム上で
 他の全てのクラスのものも見られたりすることで参考にできたり、
 もともとある程度のフォーマットが完成していて
 作成がより早くできるようになったりします。


 実際に今回横須賀市が使用するものとは違うものですが
 イメージとしてこんなですよ、というのをご覧下さい。

23NEC2.jpg

 こういう画面、民間企業にお勤めの方は
 ふだん使っていらっしゃいますよね。いわゆるグループウェアですね。

 それを横須賀市の教育にマッチした形に修正して
 そして導入していくことになります。

 もともと横須賀市はICTの活用には積極的でしたが
 これまでは生徒たちに向けた利用・活用がメインでした。

 これでようやく先生方の校務に対する支援も
 ICTを利用できるようになります。

 もちろん今日の委員会では
 全員一致で『可決』されました。良かったです。

 あとは本会議で可決されれば、スタートに向けて動き出します!

● これまでのフジノと教育委員会とのやりとり/議事録から

 フジノと教育委員会とのこれまでのやりとりを
 参考までに掲載いたします。

 2年前はフジノの指摘にやや懐疑的だった教育委員会が
 2年後には全く同じ方向を向いている様子が伝わってくると思います。


 (2008年9月議会・教育経済常任委員会)
 <フジノ>
  議案第91号について、1点質問をしたいと思います。

  今回の『物品の買い入れ』の相手先は
  株式会社JMCエデュケーションズということで、

  既に多くの学校に納入事例がございまして、
  お隣の三浦市もこちらの会社から納入しておられると思います。

  そこで確認をしますが、
  ICTの活用を行うのは2つの目的があったと思います。

  1つは『子どもの授業の理解の促進』と、

  もう1つは『教職員に過大な負担がかかっていることを
  ICTの導入によって減らす』

  ということであったと思いますが、それはその認識でよろしいですか。

  <生涯学習部長>
  もちろん2つの面はございますが、

  今回の教室に入れるパソコンにつきましては、
  子どもの授業に活用していきたいと考えております。

  <フジノ>
  今回の議案ではそういうことであるという御回答でしたが、

  僕として考えたいのは、
  「教職員の方々の負担を減らしたい」という想いがやはり強くあります。

  そのような中で、先ほど申し上げたように、
  納入事例が非常に多い会社と買い入れの議案を持つことができた。

  ノウハウを非常に多く持っており、
  横須賀市教育委員会も付き合いは長いとお聞きしております。

  ICTの導入事例とか活用事例を
  先生方が情報収集するのに限界もあると思いますので、

  ぜひこちらの会社から細かな
  そういった導入事例の情報収集とかに御協力いただけるように
  お願いしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

  <生涯学習部長>
  まずは、今回の場合には、この物品等を買い入れ
  という形の中での入札でございます。

  そのほかにつきましては、
  その会社がどういう会社であるかは私もまだはっきりわかりませんし、
  そこが行った後に、そういった中でまた考えていくべきものであろう。

  そういう意味では、まずこの物品というもののところだけで
  考えていくのが最初かと考えております。

  <フジノ>
  それでは意見にとどめますが、筋論としての物品の買い入れである
  という議案についての御答弁は理解いたしました。

  非常によいノウハウを持っている会社であると思いますので、
  アドバイスを受けられるようにしていただきたい。

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 これが最初の質問でした。

 2年前のフジノはICTの活用について学び始めたばかりで
 まだ『校務支援システム』という単語を知りませんでした。

 その後、他のまちでのシステム化の事例などを学びました。

 翌年、教育委員会側から新たな事業として
 校務支援システムを導入するという提案が成されました。

 そこでの質疑です。

 (2009年9月議会・教育経済常任委員会)
  <フジノ>
  議案第80号について教育委員会に質問します。

  よこすか教育ネットワークセンター事業、
  校務支援システム整備というのは、

  『目的』としては

  システムの導入によって校務の負担を減らすことで、
  生徒・児童との接する時間を増やせるようにする

  というのが考えられると思います。

  実際にこれを導入した結果、どれくらい、
  具体的な時間で示すのは難しいと思いますが、

  教職員の皆さんが児童・生徒と
  接する時間を増やすことができるのか。

  そういう効果はどのようにお考えでしょうか。

  <教育情報担当課長>  
  試算ですが、
  今、約90分ほど校務に時間がかかっておりまして、

  このシステムを導入することによって
  約1時間削減することができ、

  約30分程度で毎日の校務が処理できるようになります。

  <フジノ>
  そうすると、丸々浮いた1時間が使えるかどうかというのは
  ちょっと(判断は)難しいとは思うのですが、

  約1時間はお1人の先生が
  子どもたちと接する時間が増える、

  あるいは(校務処理の)負担そのものが減る
  と考えていいのですか。

  <教育情報担当課長>
  そのとおりでございます。

  ただ、教職員の方は
  子どもと向き合う時間をつくるだけではなくて、

  教育の中で教える学校教材の研究とか、
  そういうものにも十分に時間が使えるようになります。

  <フジノ>
  日頃から、教職員の方々の
  校務時間の多さが問題になっておりますので、
  これはぜひ進めていっていただきたいと思っているのです。

  続いて質問なのですが、先ほど御説明の中でもございましたが、
  この(校務支援システムに対する国の)補助が
  新政権になってどうなるかまだわからないということを
  お話しいただきました。

  他の各部の補助金もそうかと思うのですが、
  仮に新政権が補助を取りやめた場合というのは、
  それまで執行を見合わせるというお話しでしたが、

  (補助金がカットされても)市単独で残りの2分の1も支出をして
  実行していくということになるのでしょうか。

  それとも新たなメニューを国に照会して、
  補助を出していただくように依頼をしていくのでしょうか。

  <管理部長>
  これにつきましては、全庁的な問題でございますので、
  もしそういうことになれば、
  今後、財政当局と調整を図っていきたいと思っております。

  とりあえずは今年度できなければ、
  補正減ということも1つ方法としてはあると考えております。

  <フジノ>
  そうすると、仮に補助がカットされた場合でも、
  今認められている分の
  市単独の部分は執行していくということでよろしいのですか。

  <管理部長>
  全体が補助対象事業でございますので、
  市の単独事業部分はこの中ではございませんので、
  その部分だけ執行するというわけにはいかないと考えております。

  <フジノ>
  非常に重要な事業というか、校務支援システム整備は
  大事なことだと思いますので、

  政権移行は国の問題なので何とも言えませんが、
  生徒たちに齟齬が出ないように、
  ぜひ御配慮をお願いしたいと思います。

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 この質疑の時には教育委員会もフジノも共通認識として
 校務支援システムを早期に導入したいという方向になっています。

 この頃はちょうど政権交代直後だった為に
 校務支援システムに対する国からの補助金がどうなるか分からなくて
 もしかしたら凍結になってしまうのではないかというあせりも
 フジノにはありました。

 さて、そして今日の委員会でのやりとりはこちらです。
 (すでにフジノの想いは『導入後』に向かっています)

  (2010年3月議会・教育経済常任委員会)
  <フジノ>
  学校教育におけるICTの活用は2つの目的があるというのを
  2年位前から議論させていただきました。

  1つは、学んでいるこどもたちの為に。

  もう1つは非常に校務の多い先生たちの負担を減らして
  生徒たちとの時間を共有できるようにする為に。

  2年位前はまだ、授業をICTによってより分かりやすくするものだけだ
  という答弁だったんですけれども、

  それから2年経って
  校務支援システムがこうして『買い入れ』まで辿りついたことには
  すごく「わが意を得たり」というか
  「良かったなあ」というふうに感じています。

  そこで関連して質問なのですが
  やっぱりこれを実際に使って頂かなければいけないと思うのです。

  ただ研修期間というのは3ヶ月しか無い訳で
 
  しかもこの支援システムが入る前というのは
  先生の激務というのは全く変わらない中に
  研修がぱこっと入ってくる訳で過重負担な訳ですね。

  そこでどうやって研修をして実際にこれを使って頂くかというのを
  そのあたりはどんな風にお考えになっていらっしゃいますか。

  <教育情報担当課長>
  研修と周知の在り方についてですけれども

  委員がおっしゃるように
  学校の先生は大変にお忙しい状況でございますので

  一般の教員の方々に対しては
  私ども指導主事、非常勤、支援員を活用しまして

  出前で各学校にお邪魔して先生のお時間を借りて
  十分に手厚く指導と研修をさせていただきたいと考えております。

  あと、管理職の校長先生・教頭先生、特別な養護の先生などは
  集合研修をさせていただこうかなと今考えております。

  <フジノ>
  分かりました。

  これは本格稼動をしていくのは平成23年4月からということなのですが
  稼動してからもこの納品先のJMC神奈川センターから
  継続的な支援も受けられると考えてよろしいでしょうか。

  <教育情報担当課長>
  JMC神奈川センターにつきましては販社でありますので
  実際には文渓堂さんからの支援を頂くことになると思います。

  1年間はサポートデスクというものを作りまして
  電話で問い合わせ等にも対応させていただきたいと思います。

  平成23年度以降につきましては
  実際にもう運用に入ってまいりますので

  私どもの指導主事等が支援に回りたいと考えております。

  <フジノ>
  ありがとうございます。
 
  どうか、パソコンの習得というのは本当に個人差がありますので
  きめ細かくサポートをしてあげていただきたいと思います。

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 実際の導入スケジュールは下の画像の通りです。

23schedule.jpg

 今年10月から来年3月までが試行期間で
 来年4月から本格スタートになります。

 パソコンに不慣れな先生方には大変なご苦労をおかけいたしますが
 民間企業ではもはや当たり前のことになっております。

 どうかみなさまに使いこなせるようになって頂きまして、
 本来の目的である、こどもたちとの時間の確保が実現できますよう
 ご協力をお願いします。

 このまちには本当にたくさんの
 サポートが必要な状況に追い込まれているこどもたちがいます。

 先生方の力が本当に頼りです。
 どうかお願いいたします!

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