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自殺未遂対策に向けたデータとその分析の報告/救急隊に搬送された・されなかった自殺および未遂の方々の数とその分析 [自殺予防対策]

(2010年1月25日(月)の活動日記その1)

● 救急隊に運ばれた自殺および未遂の方々の数とその分析

 最新のデータ(2009年分)について報告するとともに
 フジノの分析を記します。

 自殺に追い込まれてしまった方々のうち、
 ご自分やご家族が119番をかけて救急車によって搬送された方々の内、
 どのくらいの症状の重さだったのかをあらわしているのが
 下の表です。

(消防年報「事故種別年齢区分傷病程度別搬送人員」より自損行為を抜粋
 08年と09年は自殺対策連絡協議会資料より抜粋))
クリップボード01.jpg

 軽症:入院加療を必要としないもの
     (搬送、治療、診察をしたらその日のうちに帰れる方)
 中等症:3週間程度の入院化量が必要なもの
 重症:それ以上

 (病院で診察をした医師の判断をその場で救急隊が聞いて
  確認をして救急報告書に記します)

 フジノにとって、このデータは何を表しているかというと、

 救急隊は『自殺未遂』をしてしまった方々とアプローチできる
 非常に重要な存在である

 ということです。

 上の表をまとめなおしたものが下の表です。

クリップボード02.jpg

 例えば、2008年には201人、2009年には156人もの自殺未遂をした方々を
 救急車(横須賀市消防局)は運んでいるのです。

 自殺未遂をおかした方は、くりかえし未遂を行なう傾向があり、
 最終的には死に至ってしまうことが多いという研究結果が出ています。

 だからこそ、未遂の段階でしっかりとしたケアが必要なのです。

 フジノは、救急隊による自殺未遂をした方々の把握と、
 しっかりとした精神科医療への結びつけ、
 また、自殺へ追い込まれた社会的原因(例えば、多重債務など)の
 解決に向けてのサポート期間への結びつけの為に

 救急隊が果たすべき役割は大きいと考えて
 実際に市議会でいくつもの提案を行なってきましたが、
 残念ながら消防局の反応は非常に鈍いものがあります。


● 119番をかけたけれど搬送されなかった自殺/未遂数とその分析

 119番をかけて助けを求めたけれども
 救急車で運ばれなかった方々が存在しています。
 (そのことを『不搬送』と呼びます)

 何故病院に搬送されなかったのか、その理由別の表が下の数字です。

(消防年報「事故種別不搬送理由別不搬送件数」より自損行為を抜粋。
 08年・09年は自殺対策連絡協議会資料より抜粋)
クリップボード03.jpg

 この3つの統計データを分析して
 フジノは2つの結論があります。

 (1)救急は年間約50人もの(44~58人)の自殺で亡くなった方と出会っている

   →本市の自殺者2人のうち1人には救急隊が接触している

 つまり、自死遺族ケアを行なう上で、救急隊・救急病院は
 誰よりも最初に自死遺族の方々にアプローチすることになる
 とても重要な役割を持つ存在なのです。


 (2)救急は年間約150~200人の自殺未遂者と出会っている

 自殺未遂者のケア・再発防止に取り組む上で
 未遂者の把握や支援のきっかけとして救急隊・救急病院は
 重要な役割を持っているのです。

 したがって、今後もさらに消防局に対して
 自殺対策に積極的に参加するように求めていきます。

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