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タヌキが生息した誇るべき自然は、市長には「ただの山」だったのか [横須賀]

(2009年3月16日(月)の活動日記)

● タヌキが出た誇るべき自然は、市長には「ただの山」だったのか

 今日も1日、朝から晩までひたすら
 予算議会のインターネット録画中継を観まくりました。

 自分の所属していない3つの委員会をチェックして、
 全ての議案について1つずつ判断していきます。

 ちなみに自分が所属している
 教育経済常任委員会の予算審議は明日がラストです。

 ところで、本当に残念な発言に出会いました。

 市長が記者会見で発言したものを
 1か月後くらいに横須賀市のHPで発表されているのですが、
 このような発言がありました。


 (先月2月16日に行われた定例記者会見より
  http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/mayor_w/press/20090216.html

 <記者の質問>
  今、YRPで産業構造の転換という、
  うまくいったということだと思うんですが、

  オープンして以来の市長さんのご感想というかですね、
  トヨタとか のホンダの企業城下町が
  非常に法人市民税収入の減少で苦しむ中で、

  こういう12%アップっていうのはちょっと考えられないのですけど、
  市長さんのご感想を 伺いたいのですが。

 <市長の答弁>
  やっぱりYRPっていうのは、
  もう世界的な拠点に成長しましたですよね。

  約10年前にオープンしたのですけど、
  移動体通信ということで着目をして、

  その移動体通信関係の、製造はやっていないので
  全部、試験研究室なのですが、
  そのセクションについて、
  大学のいろいろな東大、京大、慶応、早稲田、
  もうほとんどの大学の通信の研究部門、

  それから日本の一流の企業、
  NTT関係、NECだの富士通だの、
  移動体通信の研究セクションが、

  それから公的な試験研究機関もあります。

  そういうものがそこに70以上集まっているのです。

  これは、こんな所は日本中どこにもないし、
  レベルは世界的なレベルで、
  世界とのいろいろ協定なんかも結んだりして
  活発に仕事をしております。

  そういうものをこの横須賀に誘致を、
  10年以上前、ずっと長い計画があって、
  ようやく10年前にスタートしたわけですけども、

  昔は単なる山林で、タヌキが出るとか、
  ただの山だったのですね。

  それが一転してああいう大きなビルがどんどん建って、
  優秀な人材がどんどんここに通って来て、
  そういう地域に一変をしました。

 (引用おわり)

 全世界からアクセスして下さっている
 フジノHPですから

 YRPと書かれていても
 全く訳がわからないと思うのですけれど

 『Yokosuka Reseach Park』の略です。
 (http://www.yrp.co.jp/

 ここ数年の横須賀市にとっての
 企業誘致戦略の重要拠点がこのYRPです。

 ただし、すさまじい面積の山と緑を削って造られました。

 フジノはこの地域のすぐそばに30年間住んでいて
 こんな開発には大反対でした。

 横須賀の誇りは、まさに自然が豊かであることだったはずです。

 タヌキが出るような自然は僕のこども時代には
 まだそこかしこには残っていましたが
 今ではほとんどありません。

 蒲谷市長は、きっと法人税が上向いて
 うれしさから口が滑ったのでしょうが

 『単なる山林』、
 『タヌキが出るとかただの山だった』、

 というセリフは、非常に怒りを感じました。

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 例えば、東京都稲城市南山という地域があります。

 スタジオジブリの映画
 『平成狸合戦ぽんぽこ』の舞台にもなった多摩丘陵の、
 さらに最後に残された自然豊かな場所です。

 そこでは、区画整理の為に
 丘陵地を削って、谷を埋める巨大開発事を始める予定です。

 そんな自然の里山を守るために
 東京都に対して次々と行政不服審査請求が出されています。

 こうした出来事ひとつを見ても
 タヌキが出るような『単なる山林』が
 人々にとっていかに愛すべき守りたい貴重なものなのか
 フジノはつくづく共感します。

 横須賀市だって、『緑の基本計画』を持っていて
 自然を守ろうと表面的には訴えています。

 さらにこの4月から市役所の組織を変えて
 環境部の中に新しく自然環境政策部門を設置します。

 それなのに...。

 いくらYRPが成功したといっても、
 その代償として、どれほどたくさんの自然が失われたかを
 市長ならば深く理解していてほしいです。

 横須賀市民のアイデンティティは
 豊かな自然にこそあります。

 ただの山、それがすでに日本中からどんどん失われている今、
 それをどれほど貴重な守るべき財産と考えるべきなのか、

 市長の『自然に対する認識』を疑います。

 市民のみなさま、フジノの言葉の感覚は
 市長に対して厳しすぎますか?

 先日のカフェトークである参加者の方から
 そのように言われましたが

 本当にそうでしょうか?

 こどもたちに残すべき豊富な自然はすでにかなり削り取られて、
 横須賀から姿を消しつつあります。

 雇用の確保や企業誘致という目の前の問題解決の為には
 YRPの存在が仮に必要だったとしても

 その開発の代償として失った自然に対して
 「タヌキが出るとか、ただの山だった」なんて軽く言わないでほしい。

 フジノの見方はこうです。

 「狸が生息できるような、素晴らしい自然が残っていた。
  そこを、市税の確保していく必要性から
  企業誘致の拠点にする為にやむをえず切り崩して
  開発をした。

  ビオトープなどで自然の回復を行なっているが
  それでも当時とは全く違っている」

 どちらの見方があなたの考えに近いですか?

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