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ミッションが無い美術館なのか? [美術館問題]

(2009年3月13日(金)の活動日記その4)

● 美術館についての質疑(その2)ミッション無しの美術館?

 『教育委員会』の来年度予算審議にて
 フジノが行なった質疑を紹介していきます。

 前回に続いて
 『横須賀美術館の在り方について』の質疑です。

 今回は、質問その2.ミッションさえ無いまま建設されたのか?についてです。

 *テープ起こしの為、正確な議事録ではありません

  (2009年3月13日・教育経済常任委員会でのフジノの質疑)
  <フジノの質問>

  収支の差額(赤字4億2000万円)を埋めることが
  金銭的には難しい場合には

  市民の方々・利用者の方々の満足度が
  その4億円分に到達するか
  それを超えるという手段があると思うんです。

  そこでうかがいたいのです。

  美術館の評価委員会、議事録を読ませていただきました。
  (http://www.yokosuka-moa.jp/hyoka/hyoka.html
 
  まだ公開されているもののみなので
  第3回(平成20年3月7日)までしか拝見していません。

  先ほど課長から、

  つい最近開催されたばかりの委員会では
  評価の仕方・指標が定まったとうかがいました。

  しかし、第3回までの議事録を読ませていただくと
  いくつか疑問な点があるんです。

  例えばインターネットからダウンロードできる
  資料の中に

  『評価制度の確立・実施に向けたスケジュール案』があります。

13nomission.jpg

  それを見ると、平成20年度は
  『ミッションの確立』と
  『ミッションの承認』とありました。

  また、議事録の中では
  評価委員の方自身が

  「私の知る限りこの美術館というのは
   しっかり計画されてできたってイメージじゃなくて
   トップダウンでまあつくろうよ、という感じですから」

  というような発言がございます。

  (議事録より)
13opinion.jpg
  そこでうかがいたいんですが

  この美術館っていうのはミッションが無いままに
  作られたものなのでしょうか?

  <美術館運営課長の答弁>

  これも議事録をお読みいただければ
  お分かりいただけると思うんですが

  私どもは当初、美術館の「ミッション」は
  建設計画にいたるまでの
  『美術館基本構想』『基本計画』であるという旨を
  しっかりご説明したところでございます。

  しかし、委員会の中で

  それがあるのは分かっているが
  これについてはここを見て
  これについてはここを見るというのでは分かりにくい、と。

  実際に運用しての経験を踏まえての
  もっと分かりやすい「ミッション」というのを
  改めて立てるべきではないか

  というご指摘を頂いたものの一部分が
  ただ今の議事録の発言になっているということでございます。

  <フジノの質問>

  やはり来年度予算案を審議していく中で
  美術館の予算を見るにあたっては

  「ミッション」が一体何なのか

  ということを
  ハッキリとお示しいただく必要があると思うのですが

  ご承認いただいた確立された「ミッション」というのは
  どういうものなのでしょうか?

  <美術館運営課長の答弁>

  まだ資料の最終的な整理が整っていないので
  分かりやすく明確には申し上げられないのですが

  美術を通じた交流の促進ですとか、
  質の高い展覧会、
  安らぎの場の提供、
  知的好奇心の育成と充足
  福祉活動の展開、
  学校との連携、
  市民との協働、
  こどもたちへの美術館教室

  などを分かりやすい形にまとめて
  ミッションとして最初に文章化するつもりでございます。

  今申し上げたようなエッセンスを
  どのような評価指標にする
  という形でのご承認を頂いたという形になります。

 (議事録からの引用はここまで)


● いまだに「ミッションの確立」が必要な本当の理由/お荷物になった美術館

 この質問を行なおうとフジノが考えた理由は
 次の通りです。

 美術館問題については
 いつも追いかけていて資料を読んでいるのですが

 美術館が実際にオープンしてから何年も経っているのに
 いまだに『ミッションの確立』を議題にしている評価委員会の存在とは
 一体、何なのだろうかと激しく疑問に感じました。

 フジノが建設反対を公約に当選した6年前から
 沢田元市長とあれだけ激しく議論を重ねたのにも関わらずです。
 (こちらをご覧ください:http://www.hide-fujino.com/leaflet/leaflet3.pdf

 それは、沢田市長が引退した後に

 こんなにも赤字を垂れ流す美術館を
 残されてしまった横須賀市で

 「このままの美術館ではとてもやっていけない」

 「沢田市長が考えた美術館では市民ニーズにそぐわない」

 「ゼロからミッションを作り直さなければならない」

 という

 強い危機感を
 現在の教育委員会が抱いているからだ、
 との結論にフジノは至りました。

 もしもそうならば、現在の教育委員会の目指している方向は
 フジノと同じ方向です。本当の市民ニーズに近づこうとしている訳ですから。

 それをあえてあぶりだしたくて
 今回の質問を行ないました。

 そして、課長の答弁から
 フジノの狙いは成功したと考えています。

 美術館についてかつての構想だとか計画だとかは存在するけれども
 分かりにくいし、
 実際に運用してみたら通用しなかったので
 改めて作り直さねばならなかった、という答弁なのだと
 フジノは受け止めました。

 したがって、沢田元市長が作った美術館と
 現在の横須賀美術館には「もはや連続性は無い」とフジノは考えます。

 かつての沢田市長は美術館を作ることに
 意地になっていて
 ミッションや収益性などを
 ほとんど現実的には考えていなかったのではないか、と感じます。

 それは、はからずも、
 美術館評価委員会のメンバー自身がふと漏らした言葉、

 「私の知る限りこの美術館というのは
  しっかり計画されてできたってイメージじゃなくて
  トップダウンでまあつくろうよ、という感じですから」

 ということに表れているのです。

 それは、市長が市政を私物化している、
 ということだったと言えるかもしれません。

 あれだけ建設反対運動が起こったことが
 その証拠だとフジノは考えています。市民は求めていなかったのです。

 だからこそ、オープンして数年が経った今になっても
 今さら改めて『ミッション』を固めているんでしょう。

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 しかし...答弁で出された横須賀美術館のミッションですが、

 ・美術を通じた交流の促進
 ・質の高い展覧会
 ・安らぎの場の提供
 ・知的好奇心の育成と充足
 ・福祉活動の展開
 ・学校との連携、
 ・市民との協働、
 ・こどもたちへの美術館教室

 あまりにも総花的すぎて
 どこの美術館でもやっていることになっています。

 横須賀にしかできない美術館というのは
 もともと存在しないのではないでしょうか。

 現在の教育委員会のように
 市民ニーズを探って収入を増加させる努力も
 ありなのかもしれませんが、

 結局、根本的な問題を解決する為には
 民間への売却を行なうか、一刻も早く美術館そのものを廃止するか、
 どちらかしか無い、とフジノは考えています。

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