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「ソレイユの丘」問題に対する、市の最終報告書が出されました [ソレイユの丘・長井海の手公園問題]

(2009年2月3日(火)の活動日記その2)

● 「ソレイユの丘」問題に対する、市の最終報告書

 けさ、全市議会議員宛に提出された
 「ソレイユの丘」の諸問題に対する
 横須賀市からの『最終報告書』の全文を紹介します。

 (PDFファイルはこちらをご覧下さい)

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 『パック野菜の製造年月日ラベルはがしに始まった
  長井海の手公園ソレイユの丘での諸問題に関する最終報告書』


 Ⅰ これまでの経過等
 Ⅱ 結果報告後の本市による調査実施状況
 Ⅲ 事実に関する調査結果( 項目別 )
 Ⅳ 事業者に対する処分の概要

 平成21年2月3日
 土木みどり部



 <Ⅰ これまでの経過等>

 真空パック入りカット野菜の製造年月日ラベルを
 従業員がはがしていたことについて、

 平成20年11月12日(水)、PFI事業者として
 長井海の手公園ソレイユの丘の
 管理運営を担当している株式会社横須賀ファームが、

 新聞社の取材を受けたことから始まった本件に関しては、
 過日、本市等が行ってきた調査の結果を公表し、
 その中で、複数回にわたって「ラベルはがし」が行われていた事実や、
 裏づける証言等が得られなかったものの、

 消費期限が適切に意識されず、
 守られていなかった可能性があることを明らかにした。

 同年12月25日(木)に結果を公表した当該調査では、
 聴取等を行った人員も、従業員(現・元)、納入業者、
 デイキャンプ場利用者など、計37人を数えている。

 当該公表した調査結果

 「長井海の手公園ソレイユの丘において  パック野菜の製造年月日ラベルがはがされた問題に係る報告書」では、

 同社に対し、
 証言等が得られなかった消費期限の遵守に係る事項について
 再調査を実施するよう求めたことを記したが、

 同社も確認が取れず、結果的には、
 本市が実施した元アルバイト従業員に対する聞き取り調査が、
 これを補完することとなった。



 <Ⅱ 結果報告後の本市による調査実施状況>

 ・報告書公表後に実施した
  長井海の手公園ソレイユの丘の元従業員に対する調査

  平成21年1月13日(火)、
  緑地管理課主査、緑地管理課担当職員1名が実施

 「ラベルはがし」などが行われた当時、
 デイキャンプ場に勤務しており、
 事実を把握していると思われる元アルバイト従業員1名に対し、
 市役所本庁舎において聞き取り調査を実施。

 平成19・20年のデイキャンプ場営業期間中に勤務していたこと、
 「ラベルはがし」は平成19年から行われていたこと、
 魚介類の取り扱いでも、売れ残ったら再冷凍して保存するなど、
 不適切なものが多かったこと
 などに関する証言があった。

 聴取した内容は、次のとおり。

 ・ 当初、パック野菜の消費期限はなかった(と認識している)。

 ・ 一昨年(平成19年)も、「ラベルはがし」をしているのは気づいていた。

 ・ (はがすという行為について)自分は、はがしたくないと断っている。

 ・ 週末に残ったものをその次の週に売るには、はがすことになる。

 ・ 毎週に近いくらい、頻繁に行っていた。

 ・ 発泡スチロールの箱に入っていたものを、
   そのまま冷蔵庫に入れていたから、
   パックが“ぐずぐず”になっているものもあったが、
   廃棄したのは、10パックに満たないと思う。

 ・ (デイキャンプ場で)魚介類は流水で解凍するが、
   ショーケースに並べ、残ったら、
   もう1度、ラップにくるんで冷凍していた。

 ・ 再冷凍はどこでもしているものの、(質が落ち)商品としてはどうかと思う。

 ・ 昨年11月までのデイキャンプ場責任者は、
   (食品の状態に関する)見極めは確かで、傷んだものは廃棄していた。

 ・ 同社は、社員に対し、細かいことでも何かあると
   “始末書”を書かせていた。



 <Ⅲ 事実に関する調査結果(項目別)>

 1. 「ラベルはがし」に係る問題について

 (1)行われた回数
 元デイキャンプ場責任者を含め、
 5人から「ラベルはがし」の事実があったことに関する証言を得ており、

 うち3人は、一昨年からたびたび行っていたことを認めているほか、

 他に1人が、今年度中に
 複数回の「ラベルはがし」があったことを証言している。

 これらの証言から、かなりの頻度で
 「ラベルはがし」が行われていた事実を確認している。


 (2)行われていた期間

 前述のとおり、
 複数の証言が一昨年から行われていたことを明らかにしており、

 特に元デイキャンプ場責任者は、
 自身が一昨年の大型連休明けから行っていたことを証言している。

 この時期については、他に1人が、
 これを裏づけるような証言を行っている。

 したがって、これらの証言から、
 「ラベルはがし」が平成19年5月から平成20年7月までの間、
 断続的に行われていた可能性の極めて高いことが確認されている。


 2.消費期限切れパック野菜の利用者への提供について

 これまでの聞き取り調査等の結果、
 パック野菜の消費期限が適切に意識されておらず、

 アルバイト従業員は消費期限を認識していなかったほか、
 元デイキャンプ場責任者も1週間を目安に提供していたと述べている。

 この“1週間”という“期限”については、
 他に1人が、これを限度と認識しているような発言を行っており、
 一部、裏づけられるような内容の証言を得ている。

 このことから、加工業者が定めた消費期限が守られず、
 当該消費期限を超過したパック野菜が利用者に提供されていたことは、
 事実と推定される。


 3.食材の取り扱い等について

 新聞報道では、
 肉類の解凍・再冷凍の繰り返しや、
 魚介類の取り扱いについて述べられている箇所があったが、

 聞き取り調査等においても、
 肉類の解凍・再冷凍の繰り返しなどに関する真偽については、
 証言として確認ができず、

 他方、事業者の説明からは、問題となるような点は見受けられなかった。

 また、

 「多少、危なそうでも利用客に出していた」

 と報道された点については、傷んだものは廃棄していたとの証言が、
 複数得られていることから、事実とは確認していない。

 したがって、デイキャンプ場における食材の取り扱い等については、
 一部証言があったものの、新たに確認された事実はなく、
 明らかな問題があるとまでは言えないと判断する。


 4.事業者(組織)としての指示の有無について

 元デイキャンプ場責任者は

 「会社からの指示はないが、会社の雰囲気や
  在庫管理等に関するやり方から、やらざるを得なかった」

 と述べており、聞き取り調査等において、
 一部確認を要する部分があるものの、
 事業者が直接指示しているような確証は得られなかった。

 しかしながら、今回の「ラベルはがし」に関する件は、
 同社外食部門の一部であって、
 独立して食材の発注、管理等を行っている「デイキャンプ場」が
 引き起こした問題であることから、

 この意味では、ひとつの部門(組織体)が関与していたとも言える。

 事実判明以降、本市が継続的に行ってきた聞き取り調査では、
 複数の従業員等が“会社”に対する不満等を述べており、
 これが問題発生の遠因であると思われるも、

 市としては、
 事業者の直接的な関与があったとまでは言えないと考えている。

 これらのことを総合的に勘案すると、
 事業者(組織)による当該行為等に関する命令はなかったと思われ、
 直接の指示はなかったと判断する。


 <Ⅳ 事業者に対する処分の概要>

 既に市は、昨年12月25日(木)、一部事実の判明後、
 本市等が行ってきた調査結果

 「長井海の手公園ソレイユの丘において
  パック野菜の製造年月日ラベルがはがされた問題に係る報告書」

 を公表している。

 この報告書の中で、
 株式会社横須賀ファームが行った内部調査等の対応が
 じゅうぶんではなく、誤った内容の調査報告がなされたため、

 本市が行った報道機関や市議会などに対する説明も
 著しく正確さを欠くものとなったことを述べている。

 このことが事実の判明を遅らせ、
 更には、本市を通じ、市民や長井海の手公園ソレイユの丘の利用者、
 そして市議会に対しても、誤った情報を提供してしまったことから、

 内部調査などの対応に不備を生じさせた同社の姿勢等に関して、
 勧告を行わざるを得ないと判断したことを明らかにした。

 今回は、この最終報告において、
 その後に行った本市による調査の結果と、
 同社から提出されている報告書の内容を統合的に把握し、

 勧告の対象となる事実の特定を行うとともに、
 その理由を明らかにしなければならないと考えている。

 まず、前回公表の報告書において、
 「内部調査などの対応に不備を生じさせた同社の姿勢等」が
 対象であることを明記したが、

 市は、このことが最も重要な部分であると考えている。

 本件事案については、事業者が
 「デイキャンプ場」というひとつの部門の状況を把握しておらず、

 新聞社からの取材を受け、一部の事実が判明した後も、
 適切な調査が行われなかったことが直接的な原因であり、

 報道記事掲載後も、その重要性を認識せず、
 市民や利用者などに対する説明責任を怠ったことなど、

 その姿勢自体が問題であると捕らえている。

 本市からの委託を受け、自らの事業として行っている
 「デイキャンプ場」の管理運営事業において、
 適正な管理、運営等がなされていなかったことは重大な問題であり、

 事業者が、本市と締結した特定事業契約に基づいて
 負っている維持管理責任を果たしていないと判断するものである。

 結果として、当初の説明とは異なり、
 複数回の「ラベルはがし」が行われ、

 その期間も、平成19年5月以降、
 2年度にわたっていた事実が確認されたほか、

 加工業者が定めた消費期限を超過したパック野菜を、
 デイキャンプ場利用者に提供していたことが推定されており、

 損失の回避や欠品発生による混乱防止を重視するあまり、
 事実を正確にとらえ、市民や利用者などに対する
 誠実で、真摯な態度が見られなかったことは、無念の極みである。

 しかしながら、現場の責任者も
 食品の状態を見極めて提供していたとのことであり、

 事業者としても、事実判明後はラベルの表示内容の適正化を図るとともに、
 従業員に対する指導を強化するなど、是正措置を行っている。

 これらのことも斟酌し、
 以上のような事実と理由から総合的に判断して、
 同社に対し、勧告を行うことを決定した。

 PFI事業として実施されている「横須賀市長井海の手公園整備等事業」は、
 事業者と締結した特定事業契約に基づき、
 平成26年度まで、同社による維持管理運営業務が
 なされることになっている。

 ゆえに、本市としても、本件事案の発生を教訓とし、
 監視体制の強化を進めるとともに、

 同社に対しては、
 早期に同公園の維持管理運営業務の正常化が図られることを期待しており、

 前回公表の報告書と同様に、
 引き続き、継続的改善を行い、質的向上を図る体制を構築するなど、
 抜本的な再発防止策の実施を求めるほか、

 本件事案によって明らかになった問題の解決に真摯に取り組み、
 市民や利用者の信頼回復を得られるよう行動することを、
 強く求めるものである。


 (引用、終わり)

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