野比小学校を視察しました(その2:自校献立&地産地消の給食) [教育]
(2009年1月22日(木)の活動日記その2)
● 野比小学校を視察しました(その2:自校献立・地産地消の給食)
さて、教育経済常任委員会のメンバーによる
野比小学校への視察その2です。
自校献立・地産地消を活かした給食
を、実際にみんなで食べさせていただきました。
生徒たちと一緒に食べることができるのかと思っていたのですが
残念ながら、教育委員会・校長先生らとの食事でした。
うーん。残念。
「学校、来るの楽しい?」とか
「パソコンつかった授業ってどう?」とか
直接にこどもたちに質問したかったんだけれどもなあ...。
--------------------------------------------------
今日いただいたお昼ごはんは、こちら!
超おいしそう!
チャーハン、変わり煮豚、ブロッコリーのナルム、いちご2個、牛乳。
ちょびっと専門用語を説明しますと、
1.自校献立
言葉のとおりで自分の学校で給食の献立を決める、というものです。
横須賀市の場合は、『学校給食会』という組織があって
1年間のおおまかな給食の献立を立てます。
あとは、5つのブロックごとに分かれて
それぞれの地区ごとに共通の給食献立が作られます。
けれども、例えば今回の野比小学校の今日のメニューは
『6年生のこどもたちの食べたい給食』投票で
1位に輝いたメニューなのです。
このまちでは中学校では給食は行なっていませんから、
6年生で食べるのが(大げさに言えば人生を通して)
最後の給食になる訳ですが
大好きだった給食を自ら選ぶことができる訳ですね。
2.地産地消を活かした給食
これもくりかえしフジノHPで書いてきたことですが
横須賀市の野菜や魚は本当にとてもおいしいのです。
それらのほとんどが横須賀を素通りして
築地の市場へ出荷されてしまっている現状があります。
そうした現状に対して、
何でも安い方がいい、という風潮で
海外の国々から大量に安く仕入れられた輸入の食材だけを
用いるのではなくて
生産者の顔が見える地域で作られた野菜や
地元の漁師さんたちが獲った魚などを
(=地産)
地元の人々が食べれるように
学校給食や、地域の病院や、地域の飲食店などで
食材として利用できるように積極的に取り組んでいこう
(=地消)
という動きのことです。
特に、学校給食への地産地消は
全国で取り組みが行なわれつつあり、
横須賀市議会でも長年にわたってとりあげられてきた提案です。
● 積極的な野比小の給食への取り組み
市内の各学校ごとに特色ある取り組みがありますが、
野比小学校では食育への取り組みが熱心で
例えば、今日の給食について
『のびっこグルメ新聞』という新聞(下の画像参照)で
詳しくその内容がとりあげられたり、
お昼の放送でもお知らせされていました。
また、生徒たちは校門を入って教室に到着する前に
給食室の前を必ず通るような校舎のつくりになっています。
その為、生徒たちは毎朝、給食のおばさん(調理師の方々ですね)と
あいさつをかわしたり
「今日の給食、なあに?」
「今日もおいしいわよ!」
なんて会話が交わされているそうです。
こうしたいろいろな取り組みの効果があって、
野比小学校の給食の残食率は、2ケタを超えたことが無いそうです。
『残食率』とは、給食をどれだけ残したかを
重さでパーセンテージにしたものです。
ちなみに、
神奈川県全体での残食率の平均は、7.6%です。
横須賀市全体での残食率の平均は、7.4%です。
(2008年11月のデータです)
このような数値が平均的なものなのですが
野比小学校では3%台の日も多いとのことです。素晴らしいですね。
----------------------------------------------
ちなみにフジノは小学校時代から
給食の時間ではいつも牛乳が大キライで
数年ぶりに小学校で給食を食べれるうれしさを感じつつも
視察に行く前の日から、牛乳を飲まねばならないのがユーウツでした。
実際に飲んだフジノは、小学生時代と同じく
ストローをのどまでつっこんで(舌に牛乳の味が触れないように)
最初に一気飲みをしました。
うえー、牛乳ニガテ。
● 残食率を減らすことが大切です
さて、今回の視察で最もフジノが関心を持ったのが
この『残食率』についてでした。
市内では2つの小学校に1人ずつ配置されている
管理栄養士(栄養職員)の方がいるのですが
野比小学校の栄養士さんをつかまえて
『残食率』について質問しまくりました。
例えば、同じメニューであっても
そのネーミングを変えるだけで残食率は変わる、と聴きました。
具体的に言うならば、お魚と野菜の料理を出す時に
日本語名でそのまま調理した名前でメニューを献立表に書くのではなく
『~のカルパッチョ』と書いたりするだけで
なんと、残す量が減る(いつもより食べる!)そうです。
こうした工夫って、とても大切ですよね。
さらに、『残食率』について最もフジノが強く関心を持ったのは
小学校や地域ごとに『残食率』の高い・低いがある
という事実です。
今の日本社会では、朝ごはんを食べない生徒がたくさんいます。
それはもちろんこどものせいというよりは
親の原因が強いのですが
だからこそ、カロリーや栄養バランスが計算されつくした
学校給食はものすごく大切で、
フジノにとっては、こどもたちの生命線と捉えています。
ちょっと、想像してみてほしいのですが
毎日の給食を10%ずつ残してしまうこどもたちと
毎日の給食を全部たいらげるこどもたちと2つのグループがあるとします。
10年後、どちらの方が健康な成長を遂げるかといえば、
それは(運動などの量にもよりますが)
もちろん完食グループのはずです。
何故、ある小学校やある地域では
給食を残してしまうこどもたちが多いのでしょうか?
逆に、何故、ある小学校やある地域では
給食を全て食べることができるこどもが多いのでしょうか?
これをきちんと研究・分析して
改善に取り組んでいくということは、実はものすごく大切です。
かつて、こんな本が出て、ベストセラーになりました。
『普通の家族がいちばん怖い~徹底調査!破滅する日本の食卓~』
(岩村暢子著、新潮社、2007年)
でも、これは決して特別なことではなくて
現場の先生方とお話しすると、しばしば実際に聴く現実です。
例えば、こんな感じです。
「実はこないだ、朝ごはんにポテトチップスを食べてきた、
という生徒がいたという話を小学校で聴きました」
と、フジノがある先生に言うと
「いや、フジノさん。ポテトチップスでも食べてきただけマシです。
朝ごはんを毎日食べない生徒だってたくさんいるんですから」
と、言われました。
これが現実です。だから、フジノはここからスタートしたいのです。
朝ごはん、夜ごはん、この2食は家庭に任せるしかありませんが
せめて学校給食のある小学校6年間だけは
栄養バランスのとれたカロリーも計算された
しっかりとしたごはんを成長期に食べてほしいと願っているのです。
だからこそ、(昔は給食が大のニガテだったフジノですが)
こどもたちの『残食率』をなんとか減らしたい、と考えています。
その為にできることはどんなことなのか、
さっそく研究していきたいと思います。
--------------------------------------------------
いやあ、今日の野比小学校の視察は
とても勉強になりました。
視察を受け入れて下さった、校長先生をはじめとする
野比小学校の先生方、ありがとうございます。
生徒のみなさん、授業を見学させてくれて、ありがとね。
栄養士・調理師のみなさま、おいしい給食をありがとうございました。
● 野比小学校を視察しました(その2:自校献立・地産地消の給食)
さて、教育経済常任委員会のメンバーによる
野比小学校への視察その2です。
自校献立・地産地消を活かした給食
を、実際にみんなで食べさせていただきました。
生徒たちと一緒に食べることができるのかと思っていたのですが
残念ながら、教育委員会・校長先生らとの食事でした。
うーん。残念。
「学校、来るの楽しい?」とか
「パソコンつかった授業ってどう?」とか
直接にこどもたちに質問したかったんだけれどもなあ...。
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今日いただいたお昼ごはんは、こちら!
超おいしそう!
チャーハン、変わり煮豚、ブロッコリーのナルム、いちご2個、牛乳。
ちょびっと専門用語を説明しますと、
1.自校献立
言葉のとおりで自分の学校で給食の献立を決める、というものです。
横須賀市の場合は、『学校給食会』という組織があって
1年間のおおまかな給食の献立を立てます。
あとは、5つのブロックごとに分かれて
それぞれの地区ごとに共通の給食献立が作られます。
けれども、例えば今回の野比小学校の今日のメニューは
『6年生のこどもたちの食べたい給食』投票で
1位に輝いたメニューなのです。
このまちでは中学校では給食は行なっていませんから、
6年生で食べるのが(大げさに言えば人生を通して)
最後の給食になる訳ですが
大好きだった給食を自ら選ぶことができる訳ですね。
2.地産地消を活かした給食
これもくりかえしフジノHPで書いてきたことですが
横須賀市の野菜や魚は本当にとてもおいしいのです。
それらのほとんどが横須賀を素通りして
築地の市場へ出荷されてしまっている現状があります。
そうした現状に対して、
何でも安い方がいい、という風潮で
海外の国々から大量に安く仕入れられた輸入の食材だけを
用いるのではなくて
生産者の顔が見える地域で作られた野菜や
地元の漁師さんたちが獲った魚などを
(=地産)
地元の人々が食べれるように
学校給食や、地域の病院や、地域の飲食店などで
食材として利用できるように積極的に取り組んでいこう
(=地消)
という動きのことです。
特に、学校給食への地産地消は
全国で取り組みが行なわれつつあり、
横須賀市議会でも長年にわたってとりあげられてきた提案です。
● 積極的な野比小の給食への取り組み
市内の各学校ごとに特色ある取り組みがありますが、
野比小学校では食育への取り組みが熱心で
例えば、今日の給食について
『のびっこグルメ新聞』という新聞(下の画像参照)で
詳しくその内容がとりあげられたり、
お昼の放送でもお知らせされていました。
また、生徒たちは校門を入って教室に到着する前に
給食室の前を必ず通るような校舎のつくりになっています。
その為、生徒たちは毎朝、給食のおばさん(調理師の方々ですね)と
あいさつをかわしたり
「今日の給食、なあに?」
「今日もおいしいわよ!」
なんて会話が交わされているそうです。
こうしたいろいろな取り組みの効果があって、
野比小学校の給食の残食率は、2ケタを超えたことが無いそうです。
『残食率』とは、給食をどれだけ残したかを
重さでパーセンテージにしたものです。
ちなみに、
神奈川県全体での残食率の平均は、7.6%です。
横須賀市全体での残食率の平均は、7.4%です。
(2008年11月のデータです)
このような数値が平均的なものなのですが
野比小学校では3%台の日も多いとのことです。素晴らしいですね。
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ちなみにフジノは小学校時代から
給食の時間ではいつも牛乳が大キライで
数年ぶりに小学校で給食を食べれるうれしさを感じつつも
視察に行く前の日から、牛乳を飲まねばならないのがユーウツでした。
実際に飲んだフジノは、小学生時代と同じく
ストローをのどまでつっこんで(舌に牛乳の味が触れないように)
最初に一気飲みをしました。
うえー、牛乳ニガテ。
● 残食率を減らすことが大切です
さて、今回の視察で最もフジノが関心を持ったのが
この『残食率』についてでした。
市内では2つの小学校に1人ずつ配置されている
管理栄養士(栄養職員)の方がいるのですが
野比小学校の栄養士さんをつかまえて
『残食率』について質問しまくりました。
例えば、同じメニューであっても
そのネーミングを変えるだけで残食率は変わる、と聴きました。
具体的に言うならば、お魚と野菜の料理を出す時に
日本語名でそのまま調理した名前でメニューを献立表に書くのではなく
『~のカルパッチョ』と書いたりするだけで
なんと、残す量が減る(いつもより食べる!)そうです。
こうした工夫って、とても大切ですよね。
さらに、『残食率』について最もフジノが強く関心を持ったのは
小学校や地域ごとに『残食率』の高い・低いがある
という事実です。
今の日本社会では、朝ごはんを食べない生徒がたくさんいます。
それはもちろんこどものせいというよりは
親の原因が強いのですが
だからこそ、カロリーや栄養バランスが計算されつくした
学校給食はものすごく大切で、
フジノにとっては、こどもたちの生命線と捉えています。
ちょっと、想像してみてほしいのですが
毎日の給食を10%ずつ残してしまうこどもたちと
毎日の給食を全部たいらげるこどもたちと2つのグループがあるとします。
10年後、どちらの方が健康な成長を遂げるかといえば、
それは(運動などの量にもよりますが)
もちろん完食グループのはずです。
何故、ある小学校やある地域では
給食を残してしまうこどもたちが多いのでしょうか?
逆に、何故、ある小学校やある地域では
給食を全て食べることができるこどもが多いのでしょうか?
これをきちんと研究・分析して
改善に取り組んでいくということは、実はものすごく大切です。
かつて、こんな本が出て、ベストセラーになりました。
『普通の家族がいちばん怖い~徹底調査!破滅する日本の食卓~』
(岩村暢子著、新潮社、2007年)
でも、これは決して特別なことではなくて
現場の先生方とお話しすると、しばしば実際に聴く現実です。
例えば、こんな感じです。
「実はこないだ、朝ごはんにポテトチップスを食べてきた、
という生徒がいたという話を小学校で聴きました」
と、フジノがある先生に言うと
「いや、フジノさん。ポテトチップスでも食べてきただけマシです。
朝ごはんを毎日食べない生徒だってたくさんいるんですから」
と、言われました。
これが現実です。だから、フジノはここからスタートしたいのです。
朝ごはん、夜ごはん、この2食は家庭に任せるしかありませんが
せめて学校給食のある小学校6年間だけは
栄養バランスのとれたカロリーも計算された
しっかりとしたごはんを成長期に食べてほしいと願っているのです。
だからこそ、(昔は給食が大のニガテだったフジノですが)
こどもたちの『残食率』をなんとか減らしたい、と考えています。
その為にできることはどんなことなのか、
さっそく研究していきたいと思います。
--------------------------------------------------
いやあ、今日の野比小学校の視察は
とても勉強になりました。
視察を受け入れて下さった、校長先生をはじめとする
野比小学校の先生方、ありがとうございます。
生徒のみなさん、授業を見学させてくれて、ありがとね。
栄養士・調理師のみなさま、おいしい給食をありがとうございました。