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4才児の虐待死を受けて、政治家フジノの考え [こども家庭福祉]

(2008年7月28日(月)の活動日記)

● ただ加害者を責めたり児童相談所を非難しても虐待はなくせない

 ふつうに暮らしているあなたと同じふつうの人間が
 ある瞬間に他人を傷つけたり命を奪ってしまうのは何故でしょうか。

 何故、殺人は起こるのでしょうか。
 何故、虐待が起こるのでしょうか。

 あなたは、自分が誰かを殺すことなんて
 「自分だけは絶対に無い」と信じているはずです。

 けれども、そんなことはありません。

 あなたも、誰かを殺す可能性があります。

 あなただけが「自分は他人を殺さない」という
 安全地帯にいることはできません。

 人は、ある瞬間、ふだんの自分を見失って
 他人を激しく傷つけるものなのです。

 その事実を忘れて、安全地帯から評論家のように
 加害者をただ責めたり、児童相談所の対応を非難しても
 命は救えません。

 もっと深く、人間という生き物の性質を学び、理解して、
 もっと効果のある対策を取らなければ、同じことは続くでしょう。

 もう、単なる文句のたれながしは必要ありません。
 少なくとも政治家はそんなことをしているべきではありません。

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 すでに朝からあらゆるマスコミが報道していましたが
 けさ9時すぎに、全市議会議員宛に
 4才のこどもの死亡の件についての報告がありました。

 容疑者は祖母であり、容疑を認めているとのことでした。

 離婚した息子夫婦のこども(つまり孫にあたります)を
 今年4月から引き取って、養育していたとのことです。

 容疑者である祖母は、ホームヘルパーの仕事をしていたそうです。

 今回亡くなったおこさんは、

 「(自分が)悪い子だから親に捨てられたんだ」

 と漏らしたり、祖父母になかなかなつくことはなく、
 両親の離婚を受け容れることがいまだできなかったようです。

 祖父母は孫の育児にかなり悩んでいたようで
 6月に横須賀市の児童相談所に相談をしていました。

 祖父は、日常的な虐待は無かった、とメディアに話しています。

 けれども、報道のとおり、26日の夜10時頃、
 4才のおこさんはおもらしをしたことをきっかけに
 祖母に両肩をつかまれて床に頭を叩きつけられて意識を失い、
 やがて、亡くなりました。


● 根本的な対策、つまり「生きやすいまち」へ変えていくことこそが必要

 こうした報告やマスコミ報道を読んで
 フジノは改めて感じました。

 このまちの、離婚の多さ。
 シングルマザー/シングルファーザーの多さ。
 雇用の少なさ。有効求人倍率の低さ。
 平均所得の低さ。

 児童虐待がいつ起こってもおかしくない社会的条件が
 このまちにはイヤと言うほどそろっています。

 もちろん、自殺や高齢者虐待やDVなどが
 起こりやすい社会的条件もこのまちにはあふれています。

 (だからこそ、フジノはそうした対策に取り組んでいます)

 こうした社会的条件の中で
 追い込まれて暮らしている人々たちが

 いつ、自分を傷つけて自殺をしたとしても
 いつ、他人を傷つけて虐待や殺人をおかしたとしても

 政治家としてフジノは
 もう驚くことはできません。

 目の前の、1つの殺人事件に対して
 すさまじく悲しくなるのはもちろんです。

 本当にあまりにも残念な事件であって、その為、
 僕は今日1日、何をしようにも体が重く、頭痛が続きました。

 フジノは今年の予算議会でも
 横須賀市の児童相談所の職員が5人増員されたことを
 高く評価していますし、

 児童相談所の権限が強化される形で
 改正された児童虐待防止法を歓迎しています。

 そして、市の児童相談所の職員は
 常に身を削って働いています。

 フジノはそれを知っている立場です。

 外野席から、児童相談所を非難するのはカンタンでしょう。
 けれども、フジノは絶対にそんなことはしません。

 後から、事件が起こってから
 後づけで非難をするのはカンタンです。

 ちょっとネットを観れば、
 ヘルパーのくせに虐待をするなんて、とか
 相談を受けてたくせに児童相談所の動きが悪かった、とか
 あらゆる非難がうずまいています。

 でも、責任ある立場としてフジノは
 そうした非難が正しいとは思いません。

 このまちの政治家として本気で責任を痛感するならば
 解決すべきは目の前の1つの死だけでなく、
 今後起こりうる全ての死を防ぐ為の対策を取ることにあります。

 加害者を責めても、児童相談所を責めても、
 このまちから虐待は無くなりません。

 もっと深い部分での対策こそ、本質的な解決策です。

 かつて、横須賀市に児童相談所を移管するにあたって
 こども家庭福祉のある関係者と語ったことがあります。

 「いつ本市で虐待死が起こってもおかしくはありません」

 と、その方は話しました。

 それを聞いた時、フジノもまた、
 その言葉にうなずくしかありませんでした。

 だからこそ、児童相談所を
 県の所管よりもスピーディーに対応できるように
 市へ児童相談所を移したのです。

 この判断は今でも正しいと信じています。

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 今回の虐待死が起こったことを、このまちの政治家として
 こころからお詫びを申し上げます。

 同時に、いつまた起こってもおかしくないことであることを
 いつも認識しながら、根本的な対策を取っていきます。

 児童相談所だけの問題ではなく、
 このまち全体が暮らしている人々全てにとって

 もっと生きやすいまちになるように
 もっとふつうに暮らしやすいまちになるように

 政治家としてできる対策を行なっていきます。

 こどもの命も、高齢の方々の命も、
 全ての命をしっかり守れるように全力を尽くします。

 お詫びして命が取り戻せるわけではございませんが
 今回の虐待死について、深く責任を感じています。

 その責任の取り方とは、根本的な解決策をめざして
 もっと活動していくことだと信じています。

 どうかあなたも一緒に、力を貸してください。
 どうかよろしくお願いします。

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