SSブログ

たくさんの取材を受ける日々で感じたこと [感じたこと]

(2009年8月14日(金)の活動日記その1)

● たくさんの取材を受ける日々で感じたこと

 けさは、岩波書店が発行している月刊誌『世界』から
 来月号の記事に向けての取材を受けました。

 あなたは、月刊誌『世界』って知っていますか...?

 本屋さんに行くと、もっぱらおじさんたちが読む雑誌のコーナーがありますが
 その中でもグラビアのある週刊誌などではなくて、
 ぶあつい月刊誌のコーナーに置いてあります。

 『文藝春秋』や『中央公論』などが
 同じコーナーに置かれています。

 今では、こうした硬派な雑誌を読む人々は
 とても少なくなったのだろうなあと思います。

 実際、多くの同種類の月刊誌が廃刊に追い込まれています。

 けれどもこうした雑誌は
 『決して消滅してしまってはいけない種類の雑誌』だと
 フジノは考えています。

 ●

 フジノはふだんマスメディアの取材を
 基本的にお断りしています。
 (http://www.hide-fujino.com/diary/2006/aug2.html#060814

 でも、市長選挙の後から衆議院選挙が終わるまでは
 マスメディアに対するふだんのマイルールをゆるくして

 フジノが大切にしている『政策』について以外の内容でも
 マスメディアの取材を受けるようにしています。

 何故ならば、きちんと語らなければ
 全国ネットのテレビ局を筆頭に
 あまりにもこのまちの現実を知らないマスメディア業界の人々に

 単なるイメージでマスメディアが造りあげた
 おもしろおかしいストーリーで報道されてしまうからです。

 それは、このまちの人間としては許せません。

 このまちの長所も短所も含めて、35年間ここで暮らしてきた人間として
 リアルな想いをきちんと語るべき責任があると感じています。

 だから、いつも可能な限り時間を割いて
 しつこいくらいに説明をして、誠実な対応をこころがけています。

 特にこころがけているのは、これです。

 「相手が造ってきたストーリーラインには絶対にのらない。
  おかしいと感じたことは徹底的にその場で訂正する。
  本当のことだけを話す」

 そうやってこちらはきちんと対応していても

 例えば先日発売された『週刊ポスト』や『週刊朝日』のように

 フジノが発言していないことも平気で書かれたり
 発言したこともねじまげて書かれたり、うんざりさせられることがあります。

 ある日の某スポーツ新聞では、フジノが取材に答えた発言なのに
 それを全て吉田市長が取材に答えた発言として載せていました。

 (T記者、いくら吉田市長に取材の時間が取れなかったからって、
  それはやってはいけないことですよ。ちゃんと本人に取材して下さい!)

 抗議しても謝罪文章を載せる訳でもなく
 マスメディアの多くは
 本当に平気でウソを垂れ流しているんだなあと
 今さらながら改めてガッカリさせられました。

 おもしろければ何をどう書いてもいいのか?
 読者に売れさえすれば、マスメディアとしてのモラルは無いのか?

 世論を動かす力がマスメディアにはあるのですから
 それにふさわしいプライドをしっかりと持って
 良い仕事をしてほしいです。

 ●

 そんな訳で、今日の『世界』の取材でも
 フジノはとにかく取材者の意図したストーリーにはのらないように
 徹底的にこころがけました。

 だから、約2時間の取材は、
 ゴツゴツとぶつかりあうようなやりとりになりました。

 相手の質問に対して、
 その意図を何度も確認してからフジノは答えて、

 フジノが答えたことが正しく伝わったかどうかを
 何度も取材者の方に確認をさせていただくのです。

 われながらフジノは取材者の方にとって、
 イヤな取材相手だったろうなあと思います。

 取材が終わった後に
 お互いが笑顔になるようなことはありませんでしたが、

 それでも、こうしたゴツゴツしたやりとりは
 結果的にとても良かったのではないかと感じました。

 取材者の方も

 「私はあらかじめストーリーは作らないようにしています。
  読む前から読者が内容を分かるようなものは書きたくないんです」

 とおっしゃっていて、善きルポライターとしての意地を感じました。
 フジノはこの取材者の方にとても好感を抱きました。

 こうした発言をうかがうにつけても
 やっぱり『世界』のような月刊誌は
 たとえ売り上げが悪いとしてもずっと生き残ってほしいものです。

 ●

 1つの出来事をたった1つの角度からだけ見るのではなくて
 深く深く掘り下げて、
 いろいろな角度から切り取るような
 そういうルポが今こそ必要な時代だとフジノは感じています。

 1つの出来事が目の前で起こったとしても
 それを観る人の数だけ、事実はバラバラです。

 置かれた立場、考え方、信念などの違いによって
 同じ1つの出来事であっても受け止め方は全く異なるのです。

 つまり、「事実は1つでは無い」のです。

 現実の世界というのはとても複雑であって、
 ワンフレーズで切り取れるような単純なことは無いのです。

 そういった、出来事の多面性を読者に気づかせてくれるような
 しっかりとしたルポルタージュが本当に必要な時代だと思います。

 愚直なまでにまっすぐ仕事をするマジメな方が
 ややもすれば疎んじられてしまうイヤな時代ですが

 そういう全ての方々に
 どうか時代の流れに負けないでほしい、とフジノは願っています。

 愚直なまでのマジメさ、大切です。
 お互いにがんばっていきましょうね!

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。