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ソレイユの丘問題で、横須賀ファームに業務改善勧告!しかし... [ソレイユの丘・長井海の手公園問題]

(2009年2月12日(木)の活動日記)

● ソレイユの丘問題で、横須賀ファームに業務改善勧告!しかし...

 『長井海の手公園』(ソレイユの丘)を運営している
 (株)横須賀ファームに対して

 ついに今日、
 蒲谷市長が『業務改善勧告』を行ないました。

 その内容について、土木みどり部長から
 全議員宛に報告が出されました。

 『株式会社横須賀ファームに対する業務改善勧告の実施について』
 (PDFファイルはこちらをご覧下さい)

 PDFファイルが開けない方の為に
 下に全文を引用します。
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 平成21年(2009年)2月12日
 市議会議員各位
 土木みどり部長

 株式会社横須賀ファームに対する業務改善勧告の実施について

 昨年11月、真空パック入りカット野菜の
 製造年月日ラベルを従業員がはがしていたことに関し、

 新聞社が、長井海の手公園ソレイユの丘の
 維持管理及び運営業務を担当している株式会社横須賀ファームに対して
 取材を行ったことに端を発する一連の事件については、

 今月3日(火)、

 「パック野菜の製造年月日ラベルはがしに始まった
  長井海の手公園ソレイユの丘での諸問題に関する最終報告書」
  (http://www.hide-fujino.com/pdf/2009/feb/03soleil.pdf

 を公表しましたが、

 本日、同社幹部を市役所本庁舎に呼び、
 同社と締結している特定事業契約に基づいて、

 市長から業務改善勧告を行いましたので、
 次のとおり、報告いたします。

 1.勧告の根拠

 特定事業契約書別紙3第1項第3号①の規定に基づいて勧告

 2.勧告の内容

 パック野菜の製造年月日ラベルはがしに始まる
 諸問題の再発防止に努め、

 維持管理運営業務の早期正常化を図るとともに、
 継続的改善を行い、全社的に質的向上を図る体制を構築するなど、
 抜本的な再発防止策の実施を求める。

 3.業務改善の実施期限

 平成21年3月31日

 なお、この勧告の実施に伴い、
 同契約書別紙3第2項第2号①の規定に基づいて、
 「5ポイント」のペナルティポイントを付しています。

 事務担当は、土木みどり部 緑地管理課 指定管理担当

 (引用、終わり)


● やはり「減額」はしない!何故ここまでファームに甘いんだ!?

 『長井海の手公園「ソレイユの丘」』は、
 PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)という方法で
 設計・建設・維持管理・運営されている施設です。

 PFIという手法は、よくこんな風に説明されています。

 「良質の公共サービスをより少ない税金で提供することを目的とした
  新しい公共事業の手法です」

 「公共事業に民間の経営ノウハウや資金を活用する」
 「公共部門における競争原理の導入」
 「官民の対等なパートナーシップ」
 「成果主義の徹底」

 などなど。

 もともとPFIはイギリスで1992年にスタートしました。

 もしもこんな売り文句のとおり、あるいは
 イギリスで行なわれてきたように徹底して行なわれたならば、
 横須賀でもPFIは成功したのかもしれません。

 しかし、『長井海の手公園「ソレイユの丘』を見る限りは
 横須賀版PFIは失敗した、とフジノは断言します。

 例えば...。

 野田由美子さんという方が書いた
 『PFIの知識』(日本経済新聞社、2003年)という入門書があります。

 PFIとはどんなものかを分かりやすく書いています。

 というのも、著者の野田さんは、
 某銀行のロンドン支店に勤務していた時期に
 実際にPFI案件の交渉を何度も何度も体験してきたこともあり
 実務としてPFIをよく理解されていらっしゃるのですね。

 だから、PFIという手法に対して、
 『中立』というよりは『推進派』の立場といえる方です。

 その野田さんの本から、ちょっと引用してみましょう。

 (p140より)

 運営段階においては、
 要求水準通りのサービスが提供されているかを確認し、
 その結果をサービス対価の支払いに反映させます。

 (中略)

 公共部門は、抜き打ちでの立ち入り検査を行なったり、
 利用者満足度調査の結果や利用者からの苦情を分析するなどの形で、
 サービスの質をチェックすることも考えられます。

 民間事業者の業績が低迷した場合には、
 サービスの対価の減額や、
 ペナルティポイントの賦課によって対処します。

 そして、ペナルティポイントが一定以上に達した場合には、
 契約を破棄するなどの措置をとります。

 (中略)

 この他、SPCの財務状況については、
 公認会計士等の監査を得た財務諸表の提出を義務づけるなどして、
 監視を行ないます。

 (引用おわり)


 野田さんが体験してきたイギリスの本物のPFIでは、
 上に引用したような形で厳格に行なわれてきたのでしょう。

 しかし、『ソレイユの丘』で行なわれているのは
 イギリスのPFIとは違います。

 フジノ的に呼ぶならば、『横須賀版PFI』です。

 明らかに要求水準(『ソレイユの丘』で成すべきサービス)が
 民間事業者「横須賀ファーム」によって裏切られていたにも関わらず

 『横須賀版PFI』では
 サービス対価(横須賀ファームに支払う金額)の減額はしないのです。

 横須賀市は税金から毎年4億円を
 横須賀ファームにサービスの対価として支払い続けています。

 今回のような、意図的な食品の消費期限ごまかしを行なって
 来場者の方々に食中毒などが起きていたとしても
 おかしくないような危機的状況であった大問題にもかかわらず

 最終的な結論は、ペナルティポイントを5点つけただけです。

 この5点というのは、期限付きのポイントで
 3月31日を過ぎたらまた0ポイントに戻ってしまいます。
 (なんて甘い!)

 こんなにひどいことを起こしても減額さえ行なわないならば
 (株)横須賀ファームはこれからも根本的な改善はしないでしょう。

 何故なら、食中毒を起こすようなことをやっても
 横須賀市は見逃してくれるからです。
 ここまでダメでも、横須賀市は毎年4億円をくれるのです。

 横須賀版PFIでは、とてもではありませんが
 イギリスで成功したような成果は望めません。

 こんなひどい消費期限の偽装をしても
 市民のみなさまの税金から4億円が支払われ続けるのです。

 これこそ、税金の最悪なムダづかいです。

 情けない。何故こんなにも(株)横須賀ファームを
 市長が守ろうとするのか、全く理解できません。

 市長が守るべきなのは、市民の命です。

 一歩間違えば、食中毒者が多発していたかもしれない。
 あるいは、食中毒の結果、亡くなる人がいたかもしれない。

 そんな状況を知っておきながら放置していた企業に対して
 何故、こんな甘い対応しか行なわないのか。

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 さらに、フジノがずっと資料提供を求め続けている
 横須賀ファームの決算書類の提出が拒否されています。

 先日、5期目の決算書(監査の印もなく不備だらけでした)の
 提出を受けて、公認会計士に見てもらったことを
 この活動日記には記しました。

 しかし、その後、第1期から第4期までの決算書類については
 「出せない」と土木みどり部から連絡を受けました。

 (もちろん、今も「出してほしい」と市に要求しています)

 先ほど引用した野田さんの著書では
 こうした財務関係の書類の提出を義務づけて監視を厳しく行なうことも
 PFIの手法として挙げられていました。

 けれども、横須賀版PFIでは、
 そんな基本的な書類さえも
 市議会議員への提出が拒否されているという状況です。

 何故、出せないのか。

 出さないということは、不正があるのではないか。

 そう勘ぐられてもおかしくないことを
 横須賀市は何故、理解できないのでしょうか。

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