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闘わない市長、マニフェストを実現できなくてもかまわないのか!? [市長マニフェスト実現度チェック]

2010年3月27日(土)の活動日記)

● 闘わない市長、マニフェストを実現できなくてもかまわないのか!?

 けさの朝日新聞を読んで、本会議が終わった後に行なわれた
 吉田市長のインタビューの様子を知りました。

 記事を引用します。

 (2010年3月27日・朝日新聞・朝刊より)
27asahi.jpg


 当初予算案を修正して可決、横須賀市議会

 横須賀市議会は26日の本会議で、
 2010年度一般会計予算案に対する修正の動議を
 賛成多数で可決し、閉会した。

 これに伴い、予算案の総額は原案から1258万円減の
 総額1397億1741万円となった。

 当初予算の修正は1958年度以来。

 予算修正で、市救急医療センターの移転・新築に向けた
 準備経費が追加された一方、

 ①職員への顔写真付き名札導入
 ②財政基本計画を策定し全戸配布
 ③借金時計ホームページ作成
 ④公用車を青色灯ツートンカラー車にする防犯パトロール車整備

 の4事業が削減された。

 吉田雄人市長は本会議後、議会による予算修正について

 「提案側としては残念。議会の判断を尊重しなくてはいけない」

 と述べ、

 「再議に付すつもりはない。
  再議は数字(議席)を読みながら使うべき手法。
  今回使っても意味がない」

 と修正に応じた。

 (引用終わり)
----------------------------------------------------

 このインタビューを読んで、
 吉田市長への失望感はさらに強まりました。

 昨日、フジノは予算案に対する反対討論で
 このように述べました。
 (http://www.hide-fujino.com/dispute/discussion/2010/0326.html


 > 市民のみなさまの多くは、
 > 吉田市長の強いリーダーシップを期待していたはずです。
 >
 > 例え、行政内部の職員たちと激しい摩擦が起ころうとも
 > 前例にとらわれずに、市民の支持を背景に改革を進めていく。
 >
 > 議会との間で政策について対立が起こっても、
 > 正しい政策と信じるものであるならば徹底して議論する。
 >
 > いざとなれば議会側の修正案に対しては
 > 拒否権を発動して、市長として「再議」を求める。
 >
 > それぐらいの強い信念を持って横須賀市を良い方向へと
 > 進めていくような気概は吉田市長からは
 > これまで全くといってよいほど感じられません。


 つまり、市民のみなさまとの契約であるマニフェストを
 実現できなくさせるような修正案に対しては

 市長は修正案に対して拒否権を行使して
 『再議』を求めるべきだったのです。

 けれども、吉田市長は再議を求めることさえせずに
 大した反論もせずに、修正案を受け入れました。

 それは、議会に削除されたマニフェスト項目は
 吉田市長にとって「削除されてもかまわなかった」ということです。

 (1)市の危機的な財政をわかりやすく説明する
   財政基本計画の解説を市民のみなさまに全戸配布をする

 (2)このまちの借金をリアルタイムで知ってもらう為の
   借金時計をつくる

 (3)市民のみなさまの安全を守る為に、公用車をツートンカラーにして
   防犯効果を高めたパトロールカーを整備する

 (4)市民のみなさまにサービス業としての市職員としての意識を高める
   顔写真付きの名札を作成する

 この4つのマニフェストは、
 市民のみなさまに選挙を通じて『契約』をしたにも関わらず

 市議会に修正案を出されたら、再議を求めて闘ったりすることもなく
 市長はマニフェストをあっけなく放棄したのです。

 つまり、市議会と対決してでも予算案を通すという
 マニフェストを実現する為の『強い意志』が全く無い、ということが
 インタビュー記事からもはっきりわかりました。

 特に、インタビュー記事の中の
 吉田市長のこの発言は最低です。

 「再議に付すつもりはない。
  再議は数字(議席)を読みながら使うべき手法。
  今回使っても意味がない」

 再議は数字を読みながら使うべき手法?
 今回使っても意味がない?

 なに言ってるんだよ!

 契約という重みを吉田市長は全く理解していない。
 単なる政局好きならそうやって議席を数えて
 策略でもしてればいいだろう。

 でも、自分自身が市民のみなさまに選挙で約束したのだから
 必死にいのちがけで闘えばいいじゃないか。

 議席数なんて42人のうち
 選挙の時に応援したのはたった3人の市議しかいないのだから
 そんなことは最初から分かっていることなのです。

 それでも当選した以上、それでもあえて闘って、
 マニフェストは実現しなければならないものなのです!

 再議は今回使わなければ、いつ使うのですか?
 毎年毎年、修正されても見過ごすだけなのですか?

 市議会議員時代から繰り返し
 吉田市議とは『闘う姿勢』について話してきましたが

 政治家としてフジノはいつだって全ての瞬間が闘いだと考えているから
 刀のさやは捨てて、いつだって『真剣』を抜いたままにして
 ずっと振り回して闘っているけれど

 吉田市議はタイミングを見てるんだと言いながら 
 いつになったら刀を抜けばいいのか迷ってるうちに、
 もはや抜き方も闘い方も分からなくなってしまう、
 あるいは刀が錆びてもう抜いても闘えなくなってしまう、

 そんなじゃダメだよ、とフジノは言い続けてきました。

 それが市長になっても変わらないどころから
 むしろもっと悪くなってきたと言えます。

 フジノは反対討論で吉田市長にあえて 
 再議をすればいいじゃないかという意味をこめて申し上げました。

 しかし、何のアクションもとらなかった吉田市長からは
 マニフェストが削られてもそれはしかたがないし
 わざわざ闘うことでさえないという気持ちが伝わってきました。

 逃げてばかりいないで、市長は闘ったらどうですか!
 市長にとってそんなに軽いものなのですか、市民との契約は?

 僕は絶対にそんなこと許さない。

 あの市長選挙で勝手連として吉田市長を応援したが為に
 今でも多くの市民の方々から市長への苦情がフジノのもとに来ます。

 そのたびに毎回市民の方にお詫びの言葉を申し上げて
 心の中ではどんなに市長が変心しても
 僕がマニフェストを実現すると何度も何度も誓ってきたのです。

 フジノはマニフェスト至上主義です。
 それは、単に選挙でマニフェストを掲げるという意味ではなくて
 市民のみなさまと約束したことは
 何年かけても絶対に実現するということを意味です。

 あのマニフェストは吉田候補のものであるだけでなく
 あの選挙で吉田候補を応援した全ての人のマニフェストですから
 フジノのマニフェストでもあります。

 そのマニフェスト項目がちゃんと盛り込まれていない予算案や
 盛り込まれてもこじつけにすぎないようなマニフェスト項目には反対です。

 しかし、修正されてカットされてしまったマニフェストは
 市議会と再議で闘ってでも実現すべきだったと考えています。

共通テーマ:日記・雑感

議員提案をして、政府へ意見書を提出しました! [原子力空母・核の問題]

(2010年3月26日(金)の活動日記その2)

● 議員提案をして、政府へ意見書を提出しました!

 議員提案を行って、政府へ意見書を提出しました。

 タイトルは、

 「ヒロシマ・ナガサキ議定書」のNPT再検討会議での採択に向けた
 取り組みを求める意見書

 です。

 横須賀市議会は『核兵器廃絶平和都市』となることを
 1985年に決議しました。

 ちょうど被爆65周年となる今年2010年に
 核軍縮を目指して『核拡散防止条約(NPT)再検討会議』が開催されます。

 この再検討会議に向けて、
 政府に実効性のある取り組みを
 横須賀市議会として求める必要を感じました。

 そこで政府に対して、横須賀市議会として意見書を提出すべき
 との機運が高まったのですが、
 議会運営委員会で全会一致で提出することには至りませんでした。

 (議会運営委員会は全ての会派が全員賛成しなければならないのですが、
  意見書の提出に反対した会派があったのです)

 アメリカでは昨年4月にようやくオバマ大統領が
 「核兵器のない世界」に向けての演説を行いました。

 しかも、歴代政府が国民をだまして核兵器が日本に持ち込まれていた
 という核密約が明らかになったばかりです。

 そんな今だからこそ、アクションを起こすべきだと考えました。

 そこで、有志の議員で「議員提案」によって、
 意見書の提出を目指すことになりました。
 規則で決まった数以上の議員の賛成があれば、議員提案ができます。

 こうして、山本文夫議員を筆頭に、
 板橋衛議員、原田章弘議員、井坂新哉議員、瀧川君枝議員とともに、
 議員提案で「意見書の提出」を求める手続きをとりました。

 その結果、本日に開催された市議会・本会議の場で、
 賛成多数で可決されました。

 これによって、衆参両議長・総理大臣・総務大臣・外務大臣・防衛大臣宛てに
 意見書を送付することになりました。

 意見書の全文は下の通りです。
 (PDF版はこちら:http://www.hide-fujino.com/pdf/2010/mar/26document.pdf

-------------------------------------------------------------

 「ヒロシマ・ナガサキ議定書」のNPT再検討会議での
 採択に向けた取り組みを求める意見書


 我が国は世界で唯一の被爆国である。
 本市議会は、核兵器の廃絶と軍縮を求めて、
 昭和59年に「核兵器廃絶平和都市」となることを決議し、
 その趣旨に沿い、核実験が行われるたびに抗議し、行動してきた。

 昨年4月、オバマ米大統領の「核兵器のない世界」に向けた演説以降、
 米露による第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約の交渉開始、
 核不拡散・核軍縮に関する国連安全保障理事会首脳級会合における
 全会一致での決議の採択、
 同会合での鳩山総理大臣の核兵器廃絶の先頭に立つという決意表明、
 我が国が米国などと共同提案した
 核軍縮決議案の国連総会での圧倒的多数の賛成での採択など、
 核兵器廃絶に向けた世界的な流れは加速している。

 こうした歴史的な流れをさらに確実なものとし、
 核兵器廃絶を早期に実現するためには、
 明確な期限を定めて核保有国を初め、
 各国政府が核兵器廃絶に取り組む必要がある。

 よって国におかれては、
 速やかに下記事項の実現に取り組まれるよう強く要望する。

 記

 1.核兵器の廃絶と,恒久平和実現のため、
  被爆65周年を迎える2010年に開かれる
  核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けて、
  実効ある核兵器の廃絶の合意がなされるよう、核軍縮・不拡散外交に
  強力に取り組むこと。

 2.核拡散防止条約(NPT)の遵守及び加盟促進、
  包括的核実験禁止条約(CTBT)早期発効、核実験モラトリアムの継続、
  兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ)の交渉開始と早期妥結に
  全力で取り組むこと。

 3.政府は、国是である非核三原則を堅持するとともに、
  平和市長会議が提唱する2020年度までに核兵器の廃絶を目指す
  「2020ビジョン」を支持し、その実現に向けて取り組むこと。

 (以上です)

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新年度予算への反対討論をしました [本会議]

(2010年3月26日(金)の活動日記その1)

● 新年度予算案への反対討論を行ないました

 吉田市長の初の予算案に対して、反対をしました。

 採決に先立ち、反対の理由を述べた討論演説を行ないました。
 下に全文を載せますね。

-----------------------------------------------------------

 藤野英明です。

 議案第21号に反対する立場から討論を行います。
 議案第21号は、本市の『一般会計』の新年度予算案です。

 一般会計とは、特別会計や企業会計など他の予算とは異なり
 市長の政策的な姿勢が最も強く打ち出されるものです。

 さらに、この予算は吉田市長が初めて組んだ予算案ですから、
 誰もが希望を感じられる「新しい横須賀」の実現に向けた
 吉田市長の姿勢が強く反映された予算案でなければならないはずです。

 そして、この予算案を通じて
 市民のみなさまとの契約であるマニフェストと
 選挙を通じて訴えた公約を
 共に実現していくものでなければならないはずです。

 しかし、僕は4つの理由から、この予算案に反対します。

 まず、第1の理由は、予算議会冒頭の市長との質疑を通じて
 吉田市長はもはやハコモノ3兄弟への抜本的な改革を
 行わないことがハッキリしたからです。

 吉田市長は「ハコモノづくりから人づくり」へと訴えておきながら
 当選した後は説明責任も果たさないままに方針を変えました。

 直営で運営しているハコモノに指定管理者制度を導入したり、
 公募をしてこなかった指定管理者を公募にするなどの方針を
 本会議で僕から質問を受けて初めて説明するという始末です。

 選挙の大きな争点であったハコモノについての対策を
 方針転換したということは
 市民のみなさまにとってとても重要なことがらであったにも関わらず
 市長がみずからこれを発表することはありませんでした。

 説明責任を果そうという姿勢はどこにいったのでしょうか。

 しかも、このような表面的な対応では
 仮に実現できたとしても
 毎年約7000万円のコスト削減しかできないことも分かりました。

 さらにもっとひどいことに、このコスト削減は
 吉田市長のこの4年間の任期中には実現できないのです。

 すでに公約違反であることは明らかですが
 公約違反である以前に倫理的に問題を感じます。

 この任期中には実現できないにも関わらず
 さも自分が当選すれば改革が実現するかのように
 選挙で堂々と訴えておられたことに激しい失望を感じます。

 そんな吉田市長のもとで作られた今回の予算案においては、
 ハコモノ3兄弟への支出は今までの市長たちと同じく
 巨額の赤字が垂れ流さたままです。

 その穴埋めは市民のみなさまの税金です。
 これは市民のみなさまへの明らかな裏切りです。

 第2の理由は、いのちを守る横須賀をうたいながら
 高齢の方々とそのご家族のいのちと暮らしを守る為に必要な取り組みが
 見えないからです。

 特別養護老人ホームの待機者は約2000人にものぼりますが
 待機の長い列を減らすための
 施設の整備に向けた前市長以上の新たな動きは全く見えません。

 しかもその施設整備への補助は、他都市と比べて
 2分の1以下という情けない状況です。

 もしも他のまちで暮らしていたならば待機の列も短かったのに。
 そして仮に入所先や入院先が見つかったとしても
 ふるさとであるこのまちを離れなければならない方々が
 とても多いというのが現実です。

 このまちで長年暮らしてきたご高齢の方々が
 人生の後半になって大切にされないまちになっています。

 さらに、施設を整備するには介護に携わる人材が不可欠ですが
 本市においても介護人材は極めて不足しております。

 もちろん、スタートから丸十年が経つ
 介護保険制度そのものの問題点の多さが根本にあります。

 しかし、介護保険の保険者は横須賀市です。

 ならば、横須賀市独自での新たな介護人材育成や
 資格があるにも関わらず介護職を離れた方々の復職に向けた
 対策などを積極的に打ち出すべきです。

 そうした動きは新年度予算案には特にありません。

 こうした横須賀市の「介護の貧困」は、施設サービスだけでなく、
 在宅でのサービスについても極めて不十分です。

 ゼロのままの夜間対応型訪問介護事業所についても対策を質しましたが、
 その答弁を聞いた限りでは
 夜間訪問介護の実現はこのままではムリでしょう。

 足りないサービスがあれば、介護人材の育成と同じく
 事業所そのものの育成にも保険者として取り組むべきですが
 そうした動きも全くありません。

 施設サービスも在宅サービスも不十分です。

 これでは公的な責任を放棄して
 このまちのご高齢の方々とご家族に、
 「貯金を全て使いきるまで自分たちで勝手に乗り切れ」と
 横須賀市が宣言しているのと同じです。

 第3に、新しい横須賀は「市民主体」のまちづくりと言いながら
 完全に市民不在で「ごみ処理施設の建設予定地」を
 長坂と決めつけたことです。

 自分のまちのことは自分たち市民が決めるのだと
 市民主体を日頃は訴えておきながら
 この問題では行政主体だと対応を使い分ける。
 そんな市長の言行不一致ぶりには呆れて物が言えません。

 第4に、人口減少期の少子超高齢社会における
 今後の横須賀の姿はコンパクトシティのまちづくりを目指しながら
 その方針とは全く逆に、
 まちなかではなくやや離れた横須賀新港埠頭に
 新たなまちづくりを進めることです。

 これを進めていけば、さらに都市のスプロール化が進み、
 横須賀中央周辺の商店街はますますさびれていくでしょう。
 地域経済の活性化を損なう施策には反対です。

 これら4点に対して僕は徹底して市長の姿勢に反対ですが
 本会議および全ての委員会での質疑をお聞きするにつけても
 残念ながら、僕の想いをくつがえすような、
 どうしてもこの案でなければならないのだという
 市長の強い想いやリーダーシップもまた観られませんでした。

 市民のみなさまの多くは、
 吉田市長の強いリーダーシップを期待していたはずです。

 例え、行政内部の職員たちと激しい摩擦が起ころうとも
 前例にとらわれずに、市民の支持を背景に改革を進めていく。

 議会との間で政策について対立が起こっても、
 正しい政策と信じるものであるならば徹底して議論する。

 いざとなれば議会側の修正案に対しては
 拒否権を発動して、市長として「再議」を求める。

 それぐらいの強い信念を持って横須賀市を良い方向へと
 進めていくような気概は吉田市長からは
 これまで全くといってよいほど感じられません。

 行政内部に対しても、市議会に対しても、
 摩擦を避けるための安易な対応ばかりが目立ちました。

 官僚答弁の繰り返しと、前例踏襲ばかりです。

 脱ハコモノ行政、いのちを守る横須賀、
 地域経済の活性化、市民主体のまちづくり。

 この重要な4点が新年度予算案では
 実現できるとは僕には考えられませんでした。

 したがって、市民のみなさまとの契約である
 マニフェストを実現することを徹底する立場からも
 選挙の時に約束した公約を実現することを追求する立場からも
 今回の予算案に僕が賛成することは不可能です。

 市長のマニフェスト実現を信じて
 勝手連として選挙を闘った僕であっても反対せざるをえない
 この予算案ですから

 今回、修正動議と組み換え動議が議会側から出されたことは
 その内容において立場は異なるものの
 心情的にとても共感できるものです。

 僕は予算案全体に反対するという全否定の姿勢ですが
 議会側の修正案では予算の一部についてだけの修正です。

 これは予算案を否決すればを会期の延長も避けれらず、
 4月の新年度に入っても税金の使い道が定まらず
 市民生活に影響が出てしまうことから
 「それは避けねばならない」という
 議会側の良識が働いたものだと受け止めております。

 そうした議会の良識を思えば、
 予算案の全否定である僕の反対討論について
 先輩・同僚議員のみなさまに同調を求めるのは難しいことも理解しております。

 したがいまして、本来であれば討論の最後は
 先輩・同僚議員のみなさまに対して
 同調を求める言葉を申し上げて終えるべきものですが

 今回はあくまでも僕の反対理由を述べることにとどめて
 以上をもちまして、僕の反対討論を終わります。

 ありがとうございました。

---------------------------------------------------------------

 討論は以上です。

 最終低に新年度予算案は
 「議会による修正案」が可決されました。

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ソーシャルデザインの専門紙『Sym+Press』からの取材 [素晴らしき仲間たち]

(2010年3月24日(水)の活動日記)

● ソーシャルデザインの専門紙『Sym+Press』からの取材

 今日は1日中、雨でしたね。

 フジノはお昼まで市議会で事務処理(議事録のゲラチェックとか)をして、
 その後、14時半から16時すぎまで取材を受けました。

 まもなく4月10日に新しく創刊される月刊誌
 『Sym+Press』(シン・プレスと発音するそうです)の取材です。

 公式サイトなどから『月刊Sym+Press』はどんな月刊紙なのかを
 フジノなりにまとめてみると...

 ・NPO・社会企業家・あらゆる分野の専門家・行政などをつなぐ為の
  ソーシャルデザイン紙である。

 ・社会貢献の活動や社会起業家・NPOの先進事例を取材して、
  これからの新しい社会の在り方や企業の在り方を提案していく。

 ということのようですね。

 また、タイトルである『Sym+Press』の意味は

 ・『Sym-』が『symphony(シンフォニー)』などに使われる
  「共に、同時に」といった意味の接頭辞であり、
  個人や企業が 共に創り出し、調和する場を提供するメディアでありたい
  との思いを込めた

 ・新しい資本主義の在り方としての「新」や、
  1つの事例を深く 取材するという「深」の意味も込めた

 そんな想いを載せたプレスである、ということだそうです。

24withMrSunagawa.jpg

 上の写真は、編集部の砂川さんと。

 フジノが取材された内容ですが、

 これまでフジノが複数の学生団体と一緒に活動をしてきた中で
 学生団体の『強み』や学生たちに『期待すること』、
 逆に『サポートが必要なこと』などをどのように考えているか?

 ということについてでした。

 最近では、子宮頸がん対策の為に
 『女子大生リボンムーブメント』と共に活動をさせて頂いていますので
 (http://www.hide-fujino.com/diary/2010/jan2.html#100111-2

 彼女たちのことを念頭にいろいろお話ししました。

 かねてからフジノは大学生インターンなどは絶対に受けない主義で、
 政治家にみずから近づいてくる大学生たちを好きになれません。

 社会人としての体験も無いうちから「政治家になりたい」なんて学生は
 フジノの生き方とはどうしても相容れないからです。

 逆に、本気でがんばっている学生たちの団体があれば
 むしろフジノから声をかけて、勝手に応援させてもらってきました。

 そんな訳で、向こうから近づいてくる団体には基本的に距離を置く一方で
 大きな強みを持っている本気の学生たちが活動している
 魅力的な団体とこれまで付きあわせてもらってきました。

 『リボンムーブメント』にもフジノから連絡を取らせていただきましたが
 彼女たちは自らのミッションをとてもハッキリと理解していて
 活動ビジョンもその行動力も高くて
 本当に素晴らしい団体だと感じていますし、
 今後にもとても強く期待しています。
 (http://www.hide-fujino.com/diary/2010/jan1.html#100103

 そんなことをお話しながら1時間半にわたって語りましたが
 それでも語り足りなくて、

 フジノは横浜へ向かう用事があったのですが
 編集部へと戻る砂川さんと一緒の電車に乗って
 さらに横浜までの30分間を語り合ったのでした。

 創刊準備のゼロ号を読ませていただきましたが
 ソーシャルデザインという考えは
 社会福祉の思想にも一致していますし、
 4月から本格スタートする『Sym+Press』にもとても期待しています。

 記事が実際に載った時に
 また報告させていただきます。

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メンタルヘルスリテラシー教育、実践の現場へ [精神保健医療福祉]

(2010年3月23日(火)の活動日記その1)

● メンタルヘルスリテラシー教育、実践の現場へ

 今日は朝から東京都内の中学校を訪れて
 中学2年生を対象にした『メンタルヘルス・リテラシー教育』プログラムを
 生徒たちに実際に行なっている場を見学させていただきました。

 (メンタルヘルス・リテラシー教育とは
  http://www.hide-fujino.com/diary.htm#100309-2

 この中学校には数年前からプログラムが導入されており、
 今回受講した中学2年生たち(約50人)は、
 すでに中学1年生の時にも
 このプログラムを受講しています。

 2コマの授業時間を使って授業がすすめられました。
 講師は、篁先生(東京医療保健大学)と李さんのコンビです。

 生徒たちは今まさに『思春期』のまっただなかにいること、
 そもそもストレスとはどんなものか、
 ストレスとどのように向き合っていくのか、
 困った時にはどんなところにサポートを求めるのか、などなど

 大切で基本的なこと、それにも関わらず、
 実はあまり知られていないことについてのお話がありました。

23mentalhealthliteracy.jpg

 1年生向けの内容に比べると、
 2年生向けの内容はグレードアップしているそうです。

 (3年生向けにはさらにロールプレイも入るようです)

 今日はフジノの他にも一緒に見学をした方々が3名いらしたのですが
 すでに全学年の見学をした方もいらっしゃって

 その方によると、

 「学年ごとでプログラムを受講している雰囲気が全く違う」

 とのことでした。

 このメンタルヘルスリテラシー教育プログラムは
 基本的に5回で1セットなのですが

 同じ学年でも何月の実施なのかで
 だいぶ生徒たちの雰囲気も違ってきますよね。

 やはり中学3年生の後半になれば
 関心の多くを受験と進学にまつわる期待と不安が占めてきて、
 このプログラムにもぐっと関心をもって受講するようです。

 かたや中学1年生の入学直後の時期では
 まだまだ小学校気分も残っている感じだそうです。

 フジノも早く全学年を見学したいなあと思いました。

 今年は可能な限り多くの学校現場を見学させていただく予定です。

 すでに何年間も導入している学校であっても
 本音ベースでは先生方がどんな風に受け止めているかなど
 貴重な意見が聞けました。

 横須賀での導入を目指しているフジノですが
 今のこの方法だけが『唯一の手段』みたいには捉えていません。

 他にもこうしたプログラムを実施している活動がありますので

 (例えば、下の記事をご参照下さい。
  東京学芸大学と日本イーライリリー社の共同開発したものですね)

 それらも含めてしっかりと勉強して、
 より良いものをこどもたちに提供できるようにしていきたいです。



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 下の記事にあるCD-Rを日本イーライリリー社に提供して頂けないか
 現在、お願いをしているところです。

 本来、教育関係者のみへの提供ですからどうなるかなあ。


 (2010年3月21日・朝日新聞・朝刊より)
21asahi.jpg

 この記事を書いてくれたのって、あの上野創さんですね。
 うれしいです。

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自殺対策強化月間・街頭キャンペーン@JR衣笠駅前 [自殺予防対策]

(2010年3月18日(木)の活動日記その3)

● 自殺対策強化月間・街頭キャンペーン@JR衣笠駅前

 15日の汐入駅前、17日の北久里浜駅前に続いて
 今日はJR衣笠駅前での
 自殺対策強化月間の街頭キャンペーンでした。

 本日が最終日です!

18everyone01.jpg

 今日もボランティアの方々を含めて、約20名での配布となりました。
 本当にたくさんの方々のご協力を頂いたことに感謝しています。

-----------------------------------------------------

 ところで、この3月の街頭キャンペーンを通して
 フジノは1つのテーマを持って臨みました。

 それは

 「自殺は防ぐことができる死です」という言葉を一切言わない

 という試みでした。その理由は2つあります。

 ふだんフジノは政治家としての『信念』として

 「政治と行政が全力を尽くせば、
  本来、自殺は防ぐことができる死なのです!」

 と、街頭キャンペーンでも活動日記でも強く訴えています。

 自殺の原因の多くは、経済社会的な状況にありますから
 政治と行政がしっかりと対策を取ることで防げるはずだと信じています。

 フジノが申し上げてきた『防ぐことができる』の中には
 『家族』に責任を押し付けるような意味は込めてきません。

 だからいつも「政治と行政が全力を尽くせば」と
 枕詞として必ず述べてきました。

 けれども、自死遺族の方々の中には

 「自殺は予防できる、自殺は防ぐことができる、と言われると
  自殺を防ぐことができなかった自分が責められている気持ちになる」

 と、おっしゃる方々がいらっしゃいます。

 そして、その気持ちはフジノも痛いほど理解できるのです。
 この主張はもっともなことだと共感しています。

 まず理由の第1は、こうしたご意見を大切にしたいと考えたからでした。

 理由の第2は、
 自殺予防総合対策センターの意見にも一理あると考えたからです。

 その文章を全文引用してみます。

 (『いきる』自殺予防総合対策センターHP:http://ikiru.ncnp.go.jp/ikiru-hp/index.html
18ikiru.jpg


 『自殺予防キャンペーンを活かすには』
 
  各地で、自殺予防を目的とした「キャンペーン」が行われています。

  しかし、「自殺」という言葉を多用・強調したキャンペーンは、
  人々の脳裏に「自殺」を植えつけます。

  困難な問題に直面した人は、その結果、
  問題を解決するための手法として自殺を考えてしまうかもしれません。
 
  WHOマスメディアガイドラインで
  すべきでないとされている「過度な自殺報道」となる懸念があります。
 
  例えば、近年、いくつかの地域で、うつ病への気づきを高め、
  受診行動を促すことを目的とした
  「睡眠キャンペーン」が行われています。
 
  「睡眠」という言葉が使用されており、
  過度な「自殺」という言葉の使用を避ける工夫がなされています。
 
  一方、睡眠キャンペーンの効果は、
  不眠に気づいた人たちが、医療機関を受診し、更に、
  不眠患者を診察した医師が安易に睡眠薬を処方し続けることなく、
  うつ病などの背後の精神障害を疑い、適切に対処することで、
  ようやく発揮されます。
 
  しかし、不眠に気づいた人が、安易に睡眠薬を使用したり、
  アルコールを頼ったりすれば、
  目的とした効果が得られないどころか逆効果となります。
 
  先進的に睡眠キャンペーンを行っている地域では、
  うつ病への対応についてかかりつけ医を教育し、
  さらに、かかりつけ医と精神科医との連携体制を構築したうえで
  実施しています。
 
  アルコール問題の啓発、かかりつけ医のうつ病対応能力向上、
  かかりつけ医と精神科医の連携体制構築などを
  キャンペーンの実施と組み合わせることで、
  キャンペーン単独で実施するよりも大きな効果が得られるでしょう。
 
  自殺予防の領域にはエビデンスが確立していない活動が多くあります。
 
  キャンペーンを実施する際には、
  意図しない副作用が生じないための配慮と工夫が望まれます。

 (引用おわり)
-----------------------------------------------------

 かつて『自殺予防対策』といえば『うつ対策』しか存在しなかった時代を
 フジノはネガティブな記憶として今も憶えています。

 確かに自殺に追い込まれてしまう方々の8~9割が
 亡くなる直前には『うつ病』状態にあった、という研究があります。

 けれども、その『うつ』へと追い込まれた原因は何かを追究していけば
 どうしても社会全体を変えていかなければならないはずです。

 それなのに、原因を解決しないままに
 結果としてあらわれた『うつ』だけに注目していけば

 それは根本的な解決策では無いのですから、
 自殺だって無くすことができません。

 これを変える為にも、2006年の自殺対策基本法によって
 ようやく『うつ対策』だけでなく『総合的な対策』に乗り出せたのに

 上の『自殺予防総合対策センター』の文章では、
 かつての時代へと逆行しているような印象も受けました。

 ただ、それでも、街頭キャンペーンでの「自殺」という言葉のくりかえしが
 聴いた人のこころに与える影響を無視することはできないと感じました。

 そこで、この2つの理由から

 今回の街頭キャンペーンでは徹底して
 「自殺は防ぐことができる死」というキャッチフレーズは
 述べないことにしてみました。

 そのかわりにお伝えしたことは、現在、内閣府が力を入れている
 『お父さん、眠れてる?』キャンペーンに準じた内容としました。
 (http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg3235.html

18poster.jpg

 これはもともと静岡県富士市が始めた「パパ、寝てる?」キャンペーンです。
 (http://www.hide-fujino.com/diary/2008/apr4.html#modelprojectFuji

 『うつ対策』にはとても有効だとは考えていますが
 『自殺対策』にはこれだけが完全に有効な手段だとは
 フジノは考えていません。

 あくまでも、いくつもある有効な手段のうちの1つだと考えています。

 それでも今回の3日間は、
 これだけで貫いてみようと決めました。

18fujino.jpg


 こうしてこの3日間を通して
 フジノは「眠れていますか?」キャンペーンを行なってきました。

 その結果、9月の街頭キャンペーンと比べて
 かつて自分も『うつ病』だった、という市民の方々が
 多く話しかけてきて下さったように感じました。

 やっぱり『うつ病』対策には有効だと思うのですが...

 これまでの『ひとり自殺予防街頭キャンペーン』では
 フジノに話しかけて下さってきたのは、
 実際に自殺によってご家族を亡くした自死遺族の方々でした。

 そうしたご遺族の方々で話しかけてきて下さったのは、
 今回2名だけでした。

 改めてじっくりと考えてみたいと思うのですが
 どちらか1つだけが良い方法というのはなくて

 『うつ』である方々がもっと自由に
 自らの苦しさをオープンに語れる状況づくりや
 『うつ』の可能性がある方々に気づいてもらえる環境づくりと同時に

 自死遺族の方々もその想いを語ることができるような
 両方の取り組みが必要だと考えています。

 いずれにしても、この国全体の自殺予防対策が
 まだ本格的になっていない状況ですから
 成すべきことはどんどん取り組んでいくべきだとフジノは考えます。

 横須賀市では今年度、
 9月・3月と初めて2回のキャンペーンを行ないましたが

 回数や場所や方法なども含めて
 いろいろな工夫を取り入れていきたいと思います。

 キャンペーンを行なう側(=支援する側)のやりやすさではなくて、
 支援が必要な方々の側に立った在り方となるように
 今後も努力していきたいです。

18everyone02.jpg

 横須賀市の3月のキャンペーンは今日で終わりました。

 参加して下さった全てのみなさまに感謝しております。
 連日、本当にありがとうございました。

 そして、リーフレットを受け取って下さった市民のみなさまにも
 こころから感謝しております。ありがとうございました。

 ただ、たとえ例え政府が定めた『自殺対策強化月間』が終わろうとも
 これからもフジノは、毎日が全て自殺対策に重要な1日だと受け止めながら
 しっかりと自殺予防対策へ取り組んでいきます。

共通テーマ:日記・雑感

性的な多様性を保障するしくみを作りたい [性的な多様性・LGBTI]

(2010年3月17日(水)の活動日記その2)

● 性的な多様性を保障するしくみを作りたい

 横須賀市議会では、1年ごとに所属する委員会を交代する仕組みです。

 そこで今日が今年度のフジノにとって
 教育経済常任委員会として最後の日でした。

 委員会というのは4つあるのですが
 毎年、大会派から順番に割り振られていくので

 フジノのような無所属は
 どの委員会に所属できることになるのかは、
 全く分かりません。

 だから、今日がフジノにとって政治家人生を通じた最後の
 『教育経済常任委員会』になる可能性もあります。

 そこで、最後ならばどうしても質疑をしておきたかったのは、
 この2つについてでした。

 第1に『性的な多様性の保障』について。

 第2に『メンタルヘルス・リテラシー教育の導入』についてです。

 どちらも政治家フジノにとって、本当に大切なテーマです。

 まず、いわゆる『性的マイノリティ』とされる方々について言えば、
 幼少期や思春期に置かれた環境によって
 こどもたちの人生が大きく変わってしまうことがあります。

 その環境を少しでも良いものにすることは
 政治家として当たり前の仕事だと信じています。

 いわゆる『性的マイノリティ』とされる方々のいのちを守る為にも
 『性的な多様性の保障』が絶対に不可欠なのです。

 そんな訳で、予算審議が終わった後に行なった
 今年度最後の質疑の一部をご紹介します。


 (2010年3月17日・教育経済常任委員会・フジノの質疑より抜粋)

 <フジノ>
 いわゆる『性的マイノリティ』とされるこどもたち、
 『性的な多様性の保障』についての質問です。

 まず1点目ですが、

 新年度予算の中で、市民部人権・男女共同参画課の取り組みとして
 『(仮称)横須賀市人権施策推進会議』が開催される予定ですが

 この会議に教育委員会からはメンバーとして
 参加は予定されているんでしょうか?

 <学校教育課長の答弁>
 学校教育課の方から
 参加をする形ですすめております。

 <フジノ>
 その際に、教育委員会から提案をしたり
 これを議題としてほしいというようなイメージというのは
 ある程度あるのでしょうか。

 <学校教育課長の答弁>
 『性的マイノリティ』の部分ということに
 限定した訳ではございませんけれども

 やはりこどもを含めた人権問題というのは
 非常に大きな要素を持っておりますので

 そういった部分についても
 新たな提案ということではございませんけれども

 現状のものをどうやって定着させていくかということについては
 検討の中に加わっていきたいというふうに考えております。

 <フジノ>
 (こどもの人権)全般的なことを提案していくということで
 理解はしておるんですが

 ぜひ『性的な多様性の保障』についても
 積極的にとりあげていただきたいと思います。

 先日、毎日新聞で2月12日に1面で大きく報道されて
 教育関係者の方々に大きな衝撃をもって受け止められたニュースとして

 埼玉県の公立小学校において
 『性同一性障害』と診断された小学2年生の男児(8才)に対して
 学年の途中から女児としての登校を認めているということが分かった、と。

 (2010年2月12日・毎日新聞・朝刊より一部抜粋)
12mainichi.jpg

 本来、こういうことについては国のしっかりとした指針が示されて
 実態が把握されて、指針が策定されて、

 学校現場に判断をおしつけないということが
 在るべき姿だと思うのですが

 今のところ、国の動きが見えてこない中で
 こういうことっていうのはどんどん増えてくると思うんですね。

 そんな時に、横須賀市の教育委員会においては
 研修もすでに行なわれておりますし

 実際に性的マイノリティの方々の大学生と
 教育長をはじめ部課長にお会いしていただいた、
 ということもありました。

 そこで、まず1点目としては
 先ほどの『人権施策推進会議』においてもテーマとして
 積極的にとりあげていっていただきたい、ということ。

 そしてもう1つは、こういった問題は
 今後、現実のものとして起こっているし起こりうると思いますので

 横須賀市教育委員会としては
 どんなふうに対応をお考えになっておられるのかということを
 うかがいたいと思います。

 <学校教育課長の答弁>
 藤野議員がおっしゃったように
 すでに昨年度・今年度と
 教員に対する研修を2年間、実施をしております。

 昨年度の校長会議の中でも
 特に『制服』の扱いの問題につきましては
 当該の保護者あるいは本人とも十分に話をしながら対応するように
 ということで進めているところでございます。

 次年度につきましても同じように
 まず教員の意識を高めていくような取り組みを
 さらにすすめていきたいと考えております。

 人権施策推進会議の中でも今お話したような中身につきまして
 教育委員会としても話し合っているということにつきまして
 報告してまいります。

 <フジノ>
 今、課長から頂いた御答弁というのは
 とても納得できるものなのですが
 まず教員のみなさんの意識と理解を深めていただく、と。

 日頃カミングアウトできない方々が
 一番最初に相談するのがやっぱり先生ということなので
 先生がばっちり支えてくれるというのが一番安心だと思うのですが

 (けれども)最近も当事者の方々とお話をしていると

 「そういう『実をとる研修』はありがたいのだけれども
  やはり「性的マイノリティに対応する」と銘打った窓口があると
  ありがたい」

 という声をよくうかがいます。

 「相談をしてもらえれば、横須賀市はかなり対応をやっているんですよ」

 というお話を(僕は)するんですが

 「やはり、例えば、教育相談の中で
  性的マイノリティの相談を受けてますよというふうに名乗ってほしい」

 と言われることがあります。

 そういう意味では『実をとる研修』を
 ずっとやってきていただいているのですが

 対世間という意味で『性的マイノリティ』の方々に
 「性的な多様性を保障していくよ」ということを
 教育委員会として打ち出していく予定は無いでしょうか。

 <生涯学習部長の答弁>
 この問題というのは先ほど藤野議員がおっしゃったとおり
 カミングアウトがなかなかできない。

 学校の1つの対応としては
 本人もそうですけれども
 保護者と一緒にその子を育てていかなくてはいけないという中で

 その中でもちろんその子に寄り添って教員は動いていく訳ですけれども
 保護者との対応ということも
 いろいろ考えていかなければならないのかなと。

 したがいまして、『個々対応』の中で
 人権ということは前回の委員会の中でも
 教育長は「人権を一番大事にしていきたい」ということで
 それはもう全く変わっていないところでございます。

 その子の持っている人権というものを大事にしていきながら
 『個々対応』の中で進めていきたいなというふうに思っています。

 全てこの相談内容を明らかにしてということは
 なかなか難しいのかなというふうに思いますけれども

 どんな相談が来ても寄り添っていくということだけは
 これは確かですので

 そういった形の中ですすめていきたいなと思っております。

 <フジノ> 
 対応・対策を『個別』に万全にやっていくという姿勢は
 揺らぎの無いものをこの数年間感じさせていただいていて
 そこへの信頼というのは変わらないのですが

 相談の内容、
 そもそもこういうことを相談してよいのか分からない
 というような方々がたくさんおられるので

 対外的な意味で名称を出したり
 相談内容の中の一項目に広報物の一部なんかに
 性的マイノリティの方の相談というものを
 そろそろ入れていただきたいなという想いを持っております。

 できれば研究や検討をしていただきたいなと思いますが
 いかがでしょうか。

 <生涯学習部長の答弁>
 教育相談の1つの中に様々なものが入りますので
 その中にどう入るのかどうかということも含めて
 研究させていただきたいと思います。

-------------------------------------------------

 残念ながら平行線のままに今年度の議論は
 終わってしまいました。

 教育委員会の側はあくまでも『個別に対応する』ことを主張し、

 フジノは『性的な多様性を市として保障すると明言すること』を
 主張し続けるという形となりました。

 くりかえしフジノが訴えてきたとおり、
 横須賀市と教育委員会は『性的な多様性』をしっかり守ってほしいです。

 何故なら、すでに横須賀市は『人権施策推進指針』を打ち出しており
 (http://www.hide-fujino.com/diary/2009/feb3.html#090209-3

 その中にいわゆる『性的マイノリティ』とされる方々に関しても
 人権課題として位置付けているからです。

 学校現場の先生方お1人お1人の判断に任せずに
 (別の言い方をすれば、先生1人に押し付けずに)

 教育委員会として、横須賀市として、
 万全なバックアップ姿勢を取るべきだとフジノは主張し続けます。


● 人生の先輩もまた闘っている

 市議会での議論を終えて事務所に戻って
 新聞を読み込んでいました。

 すると、毎日新聞に
 『自殺』と『性同一性障害』の関係について記したコラムがあり
 とても目を引かれました。

 下に引用させていただきます。

 (2010年3月17日・毎日新聞・朝刊より)
17mainichi.jpg

 「自殺」を減らすならば


 「いきなり手荷物を検査され、何事かと思いました」。

 東京で今月あった自殺と貧困のシンポジウムに参加した知人の話だ。
 市民団体の主催で気軽に出向いたが、
 会場に入ると鳩山由紀夫首相、長妻昭厚生労働相、
 福島瑞穂内閣府特命担当相が勢ぞろい。厳戒の意味が分かったという。

 政府は自殺者の多い3月を対策強化月間として、
 中高年男性のうつ病早期発見キャンペーンなどに乗り出した。

 父親が娘に「お父さん、最近眠れてないんでしょ?」と言われて
 はっとするというCMを見た人もいるだろう。

 年間3万人の自殺者の大半は働き盛りの男性や高齢者が占める。

 でも最も憂うべきは、
 小さなうちに抱えきれない悩みを背負った子どもたちではないか。

 少子化が嘆かれる時代に毎年600人近い未成年者が自ら命を絶つ。
 かなり深刻なことだと思う。

 動機の1つとして専門家に指摘されてきたのが、
 性同一性障害(GID)だ。

 自分は女の子のはずなのに、なぜ体は男なのか。
 男子の制服を着たり、男子トイレに入るのがつらいけれど、誰にも言えない。

 成人後にGIDと診断された半数以上が
 就学前から心と体の性の不一致に苦しみ、
 7割が自殺を考え、
 2割は実際に試みたり自傷行為に及んだとのデータもある。

 ところが、この問題への鳩山政権の対応はあまりにつれない。

 児童・生徒のつらさを和らげようと知恵を絞る学校がある一方で、
 全く理解のない学校もあるのに、各校の対応に任せきっている。

 自殺問題では対策に欠かせない統計の乏しさが指摘され、
 最近やっと動機のデータなどがそろってきた。
 子どものGIDも、国としてまず実態を把握すべきだ。

 (引用終わり)
---------------------------------------------------

 読み終えて、ささやかな感動を覚えました。

 このコラムを書いた磯崎記者の想い・主張は
 まさにフジノの想い・主張と一致していました。

 この活動日記で記すのは初めてのことなのですが
 かつて就職活動をしていた21歳のフジノは

 毎日新聞の磯崎由美記者に会っていただきました。
 いわゆるOB・OG訪問です。

 今から14年前、フジノは新聞記者を目指していました。
 大熊一夫さんのように精神保健医療福祉のルポを書けるような
 ジャーナリストになりたかったのです。
 (http://www.hide-fujino.com/diary/2003/nov2.htm#journalist

 けれども、新聞記者になるにはどうしたらよいのか、
 全くわかりませんでした。

 そこで、ふだん読んでいた新聞の会社に片っ端から電話をかけて
 気になる記事を書いていた記者の方に
 ひたすら会ってもらえるようにお願いをしまくったのでした。

 どこの馬の骨とも知れないフジノの無謀なお願いは
 ことごとく断られ続けたのですが
 何とこころよく会って下さった方々もいました。

 その中のお1人が、毎日新聞・磯崎由美記者でした。

 磯崎記者は当時から優れた視点で記事を書いていらして
 気になる記事があるといつも署名は「磯崎由美」となっていました。

 だから、実物にあっていただけることになった時は
 それはかなり緊張したことを覚えています。

 それから14年が経って、フジノの肩書は
 残念ながら新聞記者ではありません。

 けれども、あの大学時代にとても親切にアドバイスをくださった
 『人生の先輩』が今もバリバリ活躍しておられることを
 今も毎日新聞を読むたびにフジノは知るのです。

 そして、僕も負けてはいけないと改めて感じるのです。

 今日のコラム、本当にうれしかったです。

 磯崎記者からすればたった1度(いや、2回かも)会っただけで
 その後は14年間音信不通のヤツから

 その記事を励みにがんばっていると
 いきなりHPに書かれても、困ってしまいますよね...。

 でも、『自殺』と『性的な多様性の保障』について
 尊敬する人生の先輩が同じように関心を持って下さっていることを
 こころからうれしく感じました。

 ますますフジノはがんばっていこうと感じました。

-------------------------------------------

 と、このことを毎日新聞の複数の知り合いにつぶやいたら
 「磯崎記者に会ってもらえばいいのに。でも忙しい方だよ」と言われました。

 確かに、14年前のように「会って下さい!」と
 お願いしてみるべきですね(汗)。

 僕は、たくさん御礼を伝えなければいけないですね。

共通テーマ:日記・雑感

自殺対策強化月間・街頭キャンペーン@汐入駅前 [自殺予防対策]

(2010年3月15日(月)の活動日記その1)

● 自殺対策強化月間・街頭キャンペーン@汐入駅前

 今年から3月は『自殺対策強化月間』に指定されました。

 そこで、横須賀市では
 これまで9月にのみ行なってきた『自殺対策街頭キャンペーン』
 3月にも行なうことになりました。

 という訳で、今日は
 自殺対策強化月間の街頭キャンペーンの第1日目でした!

 フジノは新年度予算案を審議する委員会でした。
 委員会がスタートする前には

 「今日は街頭キャンペーンがあるので、質疑は早く切り上げます(笑)」

 なんて冗談を言っていたのですが、
 いざ審議が始まればそんな言葉は完全に忘れ去り、
 がっちり質疑をしました。 

 それでも、ラッキーなことに街頭キャンペーンの開始10分前に
 会場である汐入前に到着することができました。

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 保健所健康づくり課精神保健福祉班をはじめ、
 自殺対策連絡協議会の方々や
 ボランティアのみなさまで、約20名くらいの参加となりました!

 健康づくり課長がマイクで市民のみなさまに語りかけながら
 参加者のみなさまでリーフレットを配りました。

 あいかわらず汐入駅前は風が強くて(ビル風ですね)、
 帽子が吹き飛んでしまいそうな勢いでした。

 けれども、参加者のみなさまの熱意は強く
 6時まで配布を続けました。

15campaign02.jpg

 5時半くらいには吉田雄人市長も到着して、
 市民のみなさまに自殺対策の意義をわかりやすく語りかけていました。

 このまちの交通事故で亡くなる方々よりも
 火災で亡くなる方々よりも、だんとつに多い自殺の現状。

 自殺とは個人の身勝手な死ではなく、
 追い込まれた末の死であること。

 そして、政治と行政が全力を尽くしていくことで
 もっともっと多くの方々のいのちが失われなくて済むこと。

写真

 また、マイクで話すだけではなくて
 直接にリーフレットを手渡ししながら市民のみなさまに

 「2週間以上眠れない日が続く場合
  ぜひ保健所に相談をしてほしい」

 とお伝えしていました。

15campaign04.jpg

 横須賀市が自殺対策の街頭キャンペーンを
 汐入駅で行なったのは初めてでしたが
 多くの市民の方々がリーフレットを受け取って下さいました。

 (フジノ個人の自殺対策ひとり街頭キャンペーンは何度もやっております)

 今日は、神奈川新聞も取材に来て下さり、
 さらになんと渋井哲也さん(ジャーナリスト)も取材に来てくれました!
 ありがとうございます。

 市長を筆頭に参加して下さったみなさま、
 そして、汐入駅前でリーフレットを受け取って下さったみなさま、
 今日は本当にありがとうございました。

 次回は、あさって17日(水)に北久里浜駅前です。

共通テーマ:日記・雑感

ハコモノ3兄弟が市民に与えている激しいダメージを知って下さい! [美術館問題]

(2010年3月12日(金)の活動日記)

● ハコモノ3兄弟が市民に与えている激しいダメージを知って下さい!

 昨日の活動日記にもすぐに反応があったのですが
 フジノが『ハコモノ3兄弟』を批判するたびに
 市民の方々のごく一部から、反論のメールを頂きます。

 しかし、その反論のほとんどが
 本市の財政面に与えるダメージについては全く触れておらず
 本当に残念でしかたがありません。

 例えば、

 「自分のこどもが芸術劇場のステージで
  吹奏楽を演奏できてうれしかったから、無くさないでほしい」

 「有名なアーティストが自分のまちで観られてうれしいから
  芸術劇場を無くすなんて言わないでほしい」

 とか、そういう種類の反論に対して
 フジノは全くお返事したりお答えしたりする気持ちになれません。

 そういう方々はよっぽど裕福で生活に困ったことが無いのでしょうか?

 もっとフジノが本気で耳を傾けたくなるような
 説得力のある積極的な反論をしてくださいませんか。

 フジノがハコモノ3兄弟に7年間ずっと批判を続けているのは

 あなたが毎日必死に満員電車で東京まで通勤をして
 心身の調子を崩してまで働いて稼いだお給料から取られている税金が

 市民のみなさまのいのちと暮らしを守ることなく
 むなしく浪費されていっている現実を変えたいからです。

 この1点を正したい、それだけなのです。

 逆にあなたに尋ねたい。

 あなたはこのまちの福祉が今のままで本当に十分だと信じているのですか。

 あなたは親御さんの介護に苦しい想いをしたことはないのですか。
 あなたは実の親へ虐待をしてしまうほどに追い込まれたはないのですか。

 あなたは子育てをしていて孤独やうつに苦しんだことはないのですか。
 あなたはこどもが不登校に苦しんだ想いをしたことはないのですか。

 あなたはひとり親の親御さんとおこさんの苦しさに何も感じないのですか。
 児童養護施設で親と離れて暮らすこどもたちの存在を知らないのですか。

 このまちでも毎年100名も自殺へ追い込まれているのをご存知ですか。
 100名の自殺の背後には未遂が10倍以上もいることをご存知ですか。

 こうした終わりなく続くフジノの質問に、
 あなたは全て「何も感じない」と答えるのですか。

 このまちは財政危機なのです。

 だから、当たり前の福祉レベルをこのまちであっても実現する為には、
 「赤字を減らす」か「税収を増やす」かしかないのです。

 その『現実』を知ってほしいのです。

 だから、予算議会ではあえて吉田市長に対して
 フジノは「データを見れば分かっていること」を質問しました。

 吉田市長本人の口から、その数字の巨大さを伝えてほしかったのです。

 実際、答弁で語られたのは、返済がいつまでも終わらないこと、
 そして、信じられないような巨額となりました。

 すぐこのフジノの質疑をとりあげてくれたメディアはありませんでしたが
 唯一、今日発行された『タウンニュース紙』が報じてくれました。

 こちらです。

 (タウンニュース3月12日号より引用)
12townnews.jpg

 3月議会/横須賀美術館の運営で市長
 「指定管理者制度も視野に研究」

 吉田雄人市長は今月4日の市議会本会議で
 横須賀美術館の運営について

 「選択肢の1つとして、指定管理者制度も含めた
  経営形態の見直しについて研究する」

 と述べ、藤野英明市議(無所属)の質問に答えた。

 市長は答弁で、

 横須賀美術館(鴨居)、横須賀芸術劇場(汐入)、ソレイユの丘(長井)の
 市債残高の総額が約209億3000万円であることも
 明らかにした(21年度末試算)。

 内訳は、美術館38億6000万円、芸術劇場149億3000万円、
 ソレイユの丘21億4000万円。

 現在の試算では
 この全ての返済が終わるのは平成45年度の見込みとなる。

 さらに、現状の運営方法であれば、
 今後この3施設の運営管理費は、
 合わせて年間約13億3000万円が毎年発生するとした。

 市長は、これら3施設が市財政を悪化させた一因との認識を示した上で、

 美術館の運営形態を、指定管理者も視野に入れていることを言及。
 現在は管理運営にかかるデータを蓄積している段階とした。

 また、芸術劇場については「時期指定管理者を公募で行なう」、

 ソレイユの丘は「契約期間終了後の運営形態の見直しを検討する」

 と述べた。

 この市長答弁に対し、藤野市議は

 「問題を根本的に見直すことにはなっていない」

 と、選挙中の公約との整合性の相違を指摘した。

 (引用終わり)
------------------------------------------------

 せっかくですから、フジノが3月4日に
 市長に対して行なった質疑応答を紹介いたします。

 フジノが文字おこしをしたものですから、正式な議事録ではありません。

 (2010年3月4日・本会議・フジノの質疑の一部より抜粋)
 <フジノの1回目の質問>

 1.財政危機の中で財政規律を重視した予算における、
  ハコモノへの市長の認識について

 この7か月間、市長は「厳しい財政状況」を繰り返し訴えてきました。

 歴代市長によってつくられた多額の借金、
 景気後退による市税の大きな落ち込み、
 基金を取り崩さなければ予算も組めないこと、
 乾いた雑巾をさらに絞るような努力を続けている、と。

 そして初めての予算編成にあたっては
 「財政規律」を基本方針に臨みました。

 しかし、それだけ「財政危機」を強調してきたにもかかわらず、
 その大きな要因であるハコモノ3兄弟
 (芸術劇場・美術館・ソレイユの丘)について
 市長は施政方針でも全く触れませんでした。

 ハコモノ3兄弟に切り込めばマニフェスト実現の
 「財源」を捻出する上でも大きな効果があったにも関わらず、
 実際の予算案を見ても大幅なカットはありませんでした。

 これでは選挙での公約だった「脱ハコモノ」についての
 公約違反の上に、説明責任も果たしていません。

 そこでうかがいます。


 (1)ハコモノ3兄弟に今後かかる費用はいくらなのか。

 市長は

 「財政再建に向けて本市の財政状況についての認識を
  市民のみなさまと共有する為」

 に財政基本計画を全戸配布すると述べました。

 それならばまず市民のみなさまに、脱ハコモノを公約した
 市長から現実をしっかりと伝えていただきたいのです。

 (質問1)
 芸術劇場・美術館・ソレイユの丘、それぞれについて、

 ①現在まだ残っている建設費用の借金額はいくらなのでしょうか。

 (質問2)
 ②管理・運営費用は今後予測しうる限り
  いつまでいくらかかるのでしょうか。

 ぜひお答えください。

 (2)今後どう対処すべきかを
  はっきりと市民のみなさまに説明すべきではないか。

 「吉田雄人が市長になればハコモノ3兄弟への
  税金のムダづかいがカットできるはず」

 「もっと優先順位の高い政策に税金が使われるはず」

 そう信じて多くの市民の方々は昨年の選挙で
 吉田市長に投票をしました。

 僕は今年1月、吉田市長と一緒に朝の駅立ちに参加しましたが
 そこで感じたことは

 「多くの市民の方々は今もそう信じている」

 ということです。

 けれども昨年9月議会、12月議会において僕は
 ハコモノについて繰り返し市長と質疑をしてきましたが

 答弁から見えてきた吉田市長の「現在の姿」は、
 当選後、明らかに変わってしまったといわざるをえません。

 例えば美術館は、今年度も大きく入場者数が減った上に、
 さらに新年度予算案でも入場者数の見込みを今年よりも減らしました。

 それにも関わらず吉田市長は、先日の質疑の中で
 美術館を観光資源として利用する旨の答弁をしました。

 美術館以外のハコモノへの予算もほとんどカットできませんでした。

 つまり吉田市長は脱ハコモノの選挙公約を捨てて、
 赤字を垂れ流し続ける道を選んだのです。

 ハコモノ批判で当選した市長なのですから
 本来ならば方針転換をした時点で、再び市民に信を問うべきでした。

 市長は市政方針でこう述べました。

 「どうしても実施が困難なものについては
  早い段階でその理由や課題を示し、今後の方向性も含めて、
  説明責任を果たしてまいります」。

 それならば市長はその言葉どおりに説明責任を果たして
 市民のみなさまに「現在のスタンス」を
 はっきりと説明すべきではないでしょうか。

 (質問3)
 今後ハコモノ3兄弟にどう対処するのか、お答え下さい。

 (3)「運営形態の見直し」や「指定管理者の公募」で
  どれだけ負担を減らせるかの検証結果は出たのか。
  またその結果はいつ発表されるのか。

 「抜本的な見直し」の方針を変更した市長は
 最近ではこう答弁してきました。

 すでに建設されたハコモノは
 廃止などの抜本的な見直しでは無く、
 指定管理者への移行など「運営形態の見直し」や
 指定管理者の「公募」によって税金の負担を減らすのだ、と。

 そこで僕は「その見直しでカットできる金額はいくらなのか」と
 改めて質問しましたが、

 市長は「その金額は分からないので検証するよう総務部に指示した」
 とのことです。

 そこでうかがいます。

 (質問4)
 その検証結果はもう出たのでしょうか。
 出たならば、早く公表して下さい。

 (質問5)
 また、結果がまだ出ていないのならば、いつまでに出すのでしょうか。
 お答えください。

 (4)新年度開催予定の「事業仕分け」において、
  ハコモノ3兄弟の必要性を問うてみるべきではないか。

 吉田市長は、新年度予算案で、障がいや難病のある方々が
 社会参加できるように支援する為の予算を3300万円もカットしました。

 あまりにも情けなく、そして残念なことです。

 そんな大切な予算をカットするよりも
 不要不急のハコモノにもっと切り込めと
 市民のみなさまは誰もが願っているはずです。

 ハコモノに対して「抜本的な見直し」をせずに
 お茶を濁すような「微修正」をすることが
 本当に市民の望んでいることなのでしょうか。

 市長は今年10月、新たに「事業仕分け」を開催しますが
 ぜひハコモノ3兄弟をその対象に入れて

 これからも続けていく必要があるのかという
 根本的な「存続」か「廃止」かをぜひ仕分けしていただきたい。

 (質問6)
 「1度作ったものは壊せない」と吉田市長は言いますが
 そんな「官僚の論理」なんかではなく、

 「市民」のみなさまや
 「外部」の第三者の視点から

 本当にこれらハコモノの必要性があるか否かを
 事業仕分けすべきではないでしょうか。

 市長の考えをお聞かせください。

 <市長の1回目の答弁>

 まず、芸術劇場・美術館・ソレイユの丘の
 現在まだ残っている建設費用の借金額について
 ご質問を頂きました。

 (答弁1)
 平成21年度末の3つの施設の市債残額ですが

 芸術劇場は、借り入れ総額約339億3000万円のうち
 これまでに約190億円償還し、
 残額は約149億3000万円となっています。

 美術館は、借り入れ総額約40億2000万円のうち
 これまでに約1億6000万円償還し
 残額は38億6000万円となっています。

 ソレイユの丘は、借り入れ総額約28億1000万円のうち、
 これまでに約6億7000万円償還し、
 残額は21億4000万円となっています。

 次に、芸術劇場・美術館・ソレイユの丘の管理運営費用は
 今後予測しうる限り、いつまで、いくらかかるのか
 というご質問をいただきました。

 (答弁2)
 まず、芸術劇場の管理運営費ですが
 指定管理料と、芸術劇場があるベイスクウェアよこすか1番館の
 共用部分の光熱水費などの維持管理費を合わせると
 年間約5億5000万円。

 指定期間終了の平成25年度までの4年間で
 約22億円となる見込みです。

 美術館の管理運営費は、平成22年予算の管理運営費から
 その財源となる観覧料などの収入を差し引くと
 約3億8000万円で、
 今後も同程度の費用で推移する見込みです。

 ソレイユの丘の管理運営費は、
 PFI事業契約に基づき、毎年4億円。

 契約期間終了の平成26年度までの5年間で 
 約20億円となる見込みです。

 年間あたりの3つの施設の運営費用の合計は
 約13億3000万円です。

 次に、3つの施設にどう対処するのか
 現在のスタンスをはっきりと説明すべきではないか
 というご質問をいただきました。

 財政面から見てこれらの3施設の建設により
 市債償還費や、維持管理費が増大し、
 本市の財政状況を悪化させた一因になっているとの認識に
 変わりはありません。

 (答弁3)
 現在のスタンスとしては

 芸術劇場については
 次期指定管理者は公募で行ないたい、と考えております。

 美術館については
 指定管理者も含めた経営形態の見直しについて
 研究してまいります。

 また、ソレイユの丘については
 現在の契約期間が終了した後の運営形態の見直しを
 検討してまいります。

 当面は、施設の維持管理費・運営費などについて
 可能な限りの抑制をしていきたいと考えています。

 また、投入している多額の市税が
 少しでも市民のみなさまに還元されるよう

 有効な市民サービスを検討し、
 少しでもコストパフォーマンスの高い施設と感じていただけるような
 運営を目指してまいります。

 次に、運営形態の見直しや指定管理者の公募の検証結果について
 ご質問をいただきました。

 芸術劇場およびソレイユの丘については
 それぞれ関係部局に検討を指示し、

 美術館については組織としての在り方を含めて
 総務部に検討を指示したところです。

 (答弁4)
 芸術劇場については
 指定管理者の公募の方向で検討を進めていますが

 コストの削減に関しては
 指定管理者を指名から公募に変更することによる効果額は

 昨年公募に変更して選考した
 生涯学習センターと市営住宅の例で言えば、

 市が提示した指定管理料の上限額と
 選考団体の提案額との差を削減率であらわすと約8.4%でした。

 施設によって運営形態は異なりますので
 いちがいに比較はできませんが

 あくまで試算としてこれを芸術劇場に当てはめれば
 年間の削減額は約3600万円となります。

 また、ソレイユの丘については
 契約期間満了時に向けて
 今後の契約のあり方について研究していまして

 運営形態の見直しも契約期間満了までの日程を勘案し、
 あわせて検討しているところですが、

 現在市が所有している施設の年間維持管理料に対する
 試算での削減額は約3700万円となります。

 美術館については、文化行政の総合的な検討も踏まえ、
 運営形態を研究していますが

 平成19年の文化庁の調査では
 公立の美術館192館のうち、
 指定管理者制度を導入しているものが50館ありましたので
 これらの先進事例も研究していきたいと思います。

 なお、美術館はいまだ開館3年目を迎えたばかりの施設なので
 現在のところ、その管理運営にかかるデータを蓄積している段階であり

 この基礎的なデータがある程度蓄積された段階で
 今後の管理運営形態について検討してまいりますが
 指定管理者制度もその1つの選択肢であると考えています。

 次に、事業仕分けにおいて芸術劇場・美術館・ソレイユの丘の
 必要性を問うてみるべきではないかというご質問を頂きました。

 事業仕分けの事業の選定基準と選定は
 今後、行政改革推進委員会から意見を頂きながら十分に検討を行い、
 市の行財政改革推進本部会議において決定したいと考えています。

 (答弁5)
 したがって今の段階で
 この3つの施設を今回の事業仕分けの対象とするかどうか
 判断することはできないと考えております。

 <フジノの2回目の質問>

 ハコモノ3兄弟への対応について、さらに再質問します。

 まず、市債の残高は208億円残っているということですが

 (再質問1)
 いつまでこの208億円が残っているのかという
 「いつまで」という期間をおしめしください。

 これが再質問の1です。

 再質問の2は

 任期中に(管理運営費用が)53億2000万円かかるというのは
 以前もお伝えしましたがハコモノ1個つくるのと同じだと
 いうふうに申し上げましたが

 (再質問2)
 これを市長の任期中に一体いくら減らせるのでしょうか?
 これが再質問の2です。

 再質問の3は、抜本的に見直すということはしない、
 しかも美術館については3年間しか運営がスタートしていないので
 データを蓄積していくとおっしゃっていました。

 ということは
 抜本的に見直すということはやめたというからには
 公約違反ですよね。

 (再質問3)
 もう公約違反というか
 選挙公約としての美術館見直しはやめた
 ということでよろしいんでしょうか。

 これを再質問の3とさせていただきます。

 (再質問4)
 総務部の検証結果はいつまでに出すのか、いつ出るのかということを
 改めてお答えいただきたい。

 これが再質問の4です。

 <市長の2回目の答弁>

 まず1点目の
 「3つの施設の市債残額がいつまで残るか」というご質問ですが

 (再答弁1)
 合計金額が209億3000万円です。
 これが全て返し終わるのは平成45年度でございます。

 次に、
 「合計13億3000万円の運営管理費についてもいつまで残るのか」
 というご質問ですが

 (再答弁2)
 今のままの施設の運営のまま続けていけば
 このままずっと続いていく

 というふうに認識していただければとおもいます。

 3点目。抜本的に見直すと言っておきながら
 特に美術館をさしておっしゃられていましたけれども

 そういう姿勢をやめたのか、ということを
 はっきり申し上げるべきではないかという
 再質問いただきました。

 1問目の答弁でも申し上げましたとおり

 (再答弁3)
 美術館の運営形態については 
 これからしっかりと研究していきたいと思っているところです。

 そして、さらに1つ踏み込んで今回ご答弁をしたのは
 指定管理者制度というものも視野に入れて
 全国の状況などもしっかり調査しながら
 研究をしていきたい、というふうに思っております。

 次に、総務部の検証結果についてですが

 こちらは先ほど
 指定管理を公募に移すことによって
 どれくらい年間削減できるかという形で
 検証させていただいた結果を答弁させていただいた訳です。

 (再答弁4)
 改めて繰り返しますと
 芸術劇場の場合、年間約3600万円。
 ソレイユの丘の場合、年間約3700万円。

 あくまで試算ですけれども
 こうした数字が検証の結果で出てまいりました。

 <フジノの最後の質問>

 ハコモノ3兄弟についてですが
 平成45年度、一体いつまで続く借金なんだ!

 そして、管理運営費用についても
 今のままならずっと続いていく数字だ、ということをうかがいました。

 そして、それに対して
 (市長は)抜本的な見直しはせずに経営形態の見直しで対応する
 ということを改めて御答弁いただきました。

 そこでもう1度確認したいのは

 選挙中に市長がおっしゃっていたことは

 「やればできるんです」
 「今すぐ変えることはできるんです」と。

 しかし議会での答弁の中では
 その選挙中の言葉とは違って

 「ゼロにするとは言っていません」
 「税金の負担をゼロにするとは最初から言っておりません」

 というようなことを言っておりましたが

 多くの市民の方々は
 そのように受け止めていなかったはずです。

 「今すぐやればできるんです」と言っていたあの言葉というのは
 「抜本的な見直しをするのだ」と誰もが受け止めたはずです。

 したがって再々質問の1としては
 公約違反を認めるべきではないでしょうか。

 (再々質問)
 あなたはすでに公約違反をしていると思いますが
 ご自身の認識はいかがでしょうか。

 お答え下さい。

 <市長の最後の答弁>

 芸術劇場・美術館・ソレイユの丘、この3つの施設について
 経営形態の見直しということは

 まず「そもそもゼロにするということはできないことだ」
 というふうなことは
 私は選挙中にも申し上げてきたつもりです。

 ただ、経営形態の見直しについては
 「やればできる」と申し上げてきたところです。

 (再々答弁)
 そういう意味で、「やらない」ということを
 一言も言っているつもりはありませんので

 ぜひ、この経営形態の見直し、
 そして指名から公募という選定プロセスの見直し、
 こうしたことは時期を見て取り組んでまいりたいと考えています。


● 公約違反ではないのか?いや、「公約以前」の問題ではないのか?

 この予算議会でも再び感じた怒りは、
 きわめて当たり前の感覚だとフジノは信じています。

 そもそも吉田市長の今の姿は、すでに公約違反ではないでしょうか。

 フジノはあの夏の熱い日々、選挙をすぐそばで支援をしてきて
 吉田候補の言葉を聴いた多くの市民の方々が

 彼が市長に当選すればすぐに効果的な対策がなされて
 すさまじい借金を一気に減らせる、
 今すぐにでも美術館を閉じるのだろう、
 そんな風に劇的な改革を期待した方々は多かったはずです。

 それが、借金の返済が終わるのは平成45年度!
 これは蒲谷前市長の政治が続いていたとしても変わりません。

 加えて、運営管理費のコストは吉田市長が言うような
 運営形態の見直しをしても
 わずかに毎年7300万円のカットしかできません。

 しかもこれは吉田市長の
 1期目の任期が終わった後に始まる話ですから
 2期目に当選しなければ、全て空手形、実現できない可能性もあります。

 選挙前に自分の任期中にできない約束をするなんて
 いかにおかしなことか、これは9月議会ですでに追及してきたとおりです。

 こんな姿勢の市長を、応援した立場として責任があるフジノが
 厳しく追及するのは当然です。

 市民の方の一部から

 「フジノさん、吉田市長をあんまりいじめないで」

 と言われたりします。

 こんな的外れな言葉はやめてください。

 政治家は人気者でも芸能人でもありません。

 市民のみなさまが市長に感情移入するのは結構ですが、
 間違った姿勢の市長を批判したらいじめているのでしょうか?

 フジノは全くそんなふうに考えません。

 市民のみなさまのいのちと暮らしを守ることこそがフジノの使命です。
 吉田市長のことを守るのはフジノの仕事ではありません。

 今の任期中に改革が実現しないことが分かっていながら
 それをさもできるかのように堂々と選挙で訴えてきたのは
 公約違反以前の、
 倫理的にもとる明らかなウソつきだと思います。

 しかもそれが仮に2期目に当選したとしても
 毎年わずか7300万円のカットしかできないとは...。

 最近は毎日、怒りと失望が止まらない気持ちと共に
 応援をしてしまったという事実は消せないという
 自責の念にさいなまれています。

 だから、市民のみなさまに対して唯一責任を果たすとすれば
 誰よりも厳しく吉田市長の姿勢を追及することしかありえないと感じています。

共通テーマ:日記・雑感

「芸術劇場」の借金残高と運営費用 [税金のムダづかい]

(2010年3月11日(木)の活動日記)

● ハコモノ3兄弟「芸術劇場」の借金の残高

 予算議会のまっただなかですが
 その予算案の中身を少しずつ紹介したいと思います。

 フジノがこのまちの『負の遺産』として
 『ハコモノ3兄弟』と名付けた3つの施設があります。

 芸術劇場、美術館、ソレイユの丘の3つです。

 そのうち、最大のハコモノが汐入の『横須賀芸術劇場』です。
 今年でオープンから16年になります。

 平成21年度末の芸術劇場部分についての
 借金の残高は、143億1774万円です。

 (同じく芸術劇場と一体となっている建物に
  『産業交流プラザ』がありますが、
  こちらの借金の残高は6億8279万2000円です)

 (財政部・予算資料・P59より) 
11debt01.jpg

 建設にかかった借金を返すには、まだまだ年数がかかります。

 さらにハコモノは古くなっていきますから
 その修理も必要になりますし

 使用している設備も更新していかなければならないので
 ずるずると税金が出ていくことになります...。


● 芸術劇場の1年間の赤字は、7億3855万円

 ハコモノの問題点は建設にかかった借金だけではなくて、
 完成してからの運営費用のコストが大きいということです。

 平成22年度の予算案からそのコストについて説明します。


 1.芸術劇場・管理事業:5億5795万8000円

 内訳
 (1)指定管理料 4億2004万円
 (2)ベイスクエアよこすか一番館共用部分負担金 1億3352万3000円
 (3)建物総合損害共済基金分担金 84万7000円
 (4)備品購入費 354万8000円

 (1)ですが、芸術劇場を運営を委託しているのですが
 市の外郭団体に指定管理料(=委託金のことです)を支払っています。

 (財団法人 横須賀芸術文化財団
  http://www.yokosuka-arts.or.jp/zaidan2007/index.html


 2.芸術劇場劇場・設備更新事業:1億8059万8000円

 内訳:舞台照明設備 1億8059万8000円

 この整備の財源として、2000万円は県から補助金が出ました。
 (県からの補助金も、もともとはみなさまの税金です)

 足りない部分は、横須賀市が新たに借金をしました。
 1億6050万円です。
     ↓
 (企画調整部・予算資料・P10より)
11debt02.jpg

 ということで、平成22年度1年間で
 芸術劇場の費用見込みは7億3855万6000円でした。

 かたや収入はゼロですから
 (フジノは借金を収入とはみなしません)

 つまり、7億3855万6000円の赤字です!

 あなたはこんなにもたくさんの税金を使ってまで
 あの芸術劇場が必要ですか?

 ...本当に残念な施設です。

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