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カフェトーク(第169回)でした [カフェトーク]

2009年4月25日(土)の活動日記その1)

● カフェトークでした

 今日は、お昼のカフェトークでした。

 (カフェトークとは:http://www.hide-fujino.com/communication/cafetalk/index.html

 とても強い雨が降る中を、6名の方が参加してくれました。

 6名のうち2名が市外の方で、
 横浜市からと相模原市から来て下さいました。

 市内からでも雨で大変なのに、
 市外からわざわざ本当にありがとうございました。

 今日もカフェトークはいろいろな方がいらっしゃいました。

 自死遺族の方、県庁の職員の方、タクシーの運転手をしている方、
 1週間の休暇をバンコクのスラムで国際ボランティアをしてきた方、などなど

 本当にお話をうかがえばうかがうほどに

 「人は、みんな違う。
  いろいろな方々が毎日一生懸命生きている」

 という当たり前の事実をひしひしと感じさせられるのでした。


● 1つの夢をあきらめる瞬間

 フィギュアをゼロから生み出す仕事に就くのが夢だった、という方の
 作品を見せていただきました。

 素人のフジノでも手にとって見せてもらうだけで
 ものすごく細かく作りこまれています。

25figure.jpg

 部品を組み立てて作るのではなくて、
 パテ(光に当てると固まる粘土のようなものですね)を盛っては
 削って部品を作っていき、
 またパテを盛っては削って部品を作り、
 その繰り返しで人形を作っていくのですね。

 そうして造形されたフィギュアとともに、
 いくつかの企業(フィギュアを生産・販売している会社があります)を
 就職活動をしてまわったところ
 全敗してしまったそうです。

 この造形という仕事の夢を、諦めることを決めたそうです。

 人が長年の夢をあきらめる瞬間、というのは
 多くの方々が体験していることでしょう。

 むしろ、夢を実現させた人の方がゼロに近いのが現実でしょう。

 だから、世の中で簡単に言われているように

 「夢は必ず実現する」「夢をあきらめるな」

 なんてフジノには言えません。

 人は食べていかなければならない。
 夢だけでは食べてはいかれない現実がある。

 それでも、人が夢をあきらめた瞬間に立ち会うのは
 とても切なく、胸が苦しくなる瞬間でもあります。


● 「派遣切り」からタクシー運転手への転職

 タクシーの運転手に就職して2ヶ月が経ったAさん。

 以前は追浜で某企業に「派遣」されていたのですが
 お正月の3が日に
 フジノがYデッキで演説をしていた時に
 このAさんにお会いしました。

 その時のAさんは、

 「同僚が突然の派遣切りにあってとても困っている」

 と話してくれたのでした。

 しかし、今回のカフェトークに参加してくれて
 お話してくれたことはなんと

 「あれから、自分も『半月後に辞めてくれ』と
  いきなり言われて辞めさせられてしまった。
  食べていかなければならないので、とにかくタクシーで働きはじめた」

 とのことでした。

 ああ、やっぱり派遣切りはとても身近な話で、
 ニュースの中だけで起こっている遠い話なんかじゃない、

 と改めて感じたのでした。

 タクシーの勤務は、今日21時間働いたら、明日はお休み。
 あさっては21時間働いて、しあさってはお休み、という風に
 1日おきにぶっ通しで働くという形態だそうです。

 派遣切りにあった直後に、
 2種免許を持っていたからすぐタクシー会社に転職はしたものの、

 これだけ働いても家族と暮らしていくのには
 とても生活費が足りなくて、厳しいので、転職をしたいとのこと。

 それでも突然の転職でまだまだ慣れない日々の中で
 1日21時間の仕事を終えた後に、ハローワークで求人票を見るのは
 心身ともに疲れきってしまうそうです。

 転職をしなければ生活費が足りない。
 転職活動をしたくても、体が動かない。
 どんどんこころはざわざわしていきますよね...。


● 世界のスラム街でボランティア

 金融関係にお勤めのBさん。

 先月のカフェトークの時にお話してくれて

 「まもなくバンコクに行ってきます」

 「無事に帰ってきたらぜひまたいらして下さい。
  バンコクのお話を聞かせて下さい」

 という会話をしました。

 実際にバンコク(タイの首都)から無事に帰国をして
 今日はその報告に来てくれました。

 タイの政情はとても不安定で、
 反政府デモが毎日のように激しく行なわれていて
 タイで開催予定だったASEANの会議も中止されてしまいました。

 Bさんは、大学時代から世界中のスラムを訪れては
 現地で直接のボランティア活動をしてきました。

 スラムの問題はあまり知られていないのですが
 例えば、国連の2005年の統計を見ると

 アジアでは全体の60%、
 アフリカ・サハラ以南では全体の20%、
 ラテンアメリカでは全体の14%が
 スラムで生活をしています。

 例えば、そこには医者がいない。
 仮に医者がいたとしても、
 人々には保険も医療費も無いので医者には行けません。

 こどもたちの健康状態は決して良くなく、
 何らかの病気にかかればあっけなく死んでしまいます。

 Bさんは大学を卒業した後、
 金融の世界で毎日深夜まで働きながらも

 今回のように1週間の休暇がとれると
 あらかじめ現地のNGOやボランティア団体に連絡をとっておいて
 スラムの中へと深く入り込んでいって

 電気も水道も下水道もない世界へと
 自ら飛び込んでいくのです。

 人によってはそんなBさんを物好きだと呼ぶかもしれません。
 あるいは、暮らしに余裕がある人間の道楽だというかもしれません。

 でも、Bさんの撮った写真を見せてもらうと
 日本とはあまりにもかけ離れた日常生活の姿を見せてもらうと
 そんな批判があまりにも的外れなことが分かります。

 「スラムといってもこどもたちの笑顔は素敵で、
  自分から10m以内に笑顔が無い瞬間は無いんですよ。
  日本と比べると、明らかに貧しい。
  医療や福祉も存在しないし、生活は厳しい。
  でも、いつも笑顔があります」

 そういうお話を聞くと、Bさんが休暇のたびに
 決して観光をしたり遊びにいくのではなくて
 スラムを訪れてボランティア活動に励むことにとても共感をします。

 このまちだけでなく日本全体にも、
 希望が見えないから笑顔だって少ない。

 自分のまわりを見回して、10m以内に笑顔が無い瞬間は無い、
 そんな素敵な時間を過ごしたことは僕にはありません。

 かねてからフジノは繰り返してきた言葉ですが
 選挙の時に、候補者が笑顔をふりまくのはウソくさいから
 フジノはポスターだけでなくあらゆる選挙写真で笑ったことがありません。

 これだけ市民生活が厳しいという現実を変える為に
 政治家に立候補しているのに
 笑顔でへらへらしてなんかいられない
 というのがフジノの想いだからです。

 でも、Bさんの体験してきた世界は違う。

 生活が厳しい中にもいつも笑顔がある。
 生活が厳しくても笑顔があるのは、
 人と人とのつながりや地域の底力があるから。
 (統計データは無いものの)自殺もとても少ないそうです。

 いつも人々に笑顔がある。
 希望がある。

 それがフジノの目指している社会です。

 日本のように経済が成熟した国であっても
 同時に、個人主義に陥らずに
 人と人とがつながっていくことができる社会へ変わることが
 必ずできると信じています。

 いつも人々に笑顔がある。
 希望がある。
 そんなまちに変わることができる。

 Bさんのお話をうかがいながら、
 スラムの現実をうかがいながら、
 フジノはずっとこのまちのことを考えていました。


● カフェトークにぜひ遊びにいらしてください

 カフェトークは、本当に奥が深いです。

 フジノには、何もありません。
 僕はもう空っぽで、人が感心するようなお話もできません。

 でも、そこにいろいろな方々が集まって
 いろいろなお話を聴かせてくれて、とても不思議な力が生まれます。

 今日、相模原市からわざわざ初参加してくださった方は
 昨日まちがえて横須賀に来てしまったそうですが
 なんと2日続けて、横須賀に来てくれました。

 そんな熱心な方がいてくださるから
 カフェトークは成り立っているのだと感じました。

 いつも、いつも、本当にありがとうございます。

 こうした、完全に見知らぬ人同士の間に生まれたつながりは
 やがて大きな大きな輪になっていくものだと僕は信じています。

 そのつながりは、必ずいつか力になっていくのだと思います。

 そんなことを感じつつも、ほのぼのと毎回のカフェトークは
 穏やかに進んでいきます。

 今日も、精神疾患で1年間休職をしていたけれども
 だんだん調子が良くなってきたからカフェトークに来てみたという方が
 初参加してくださいましたけれども

 ぜひそんな機会にも使ってください。

 カフェトークは誰でも参加自由です。
 出入りも自由です。参加費もいりません。

 ただ1つだけいつも参加した方にお願いしていることは

 「最近あったうれしかったこと・楽しかったことをお話してください」

 ということだけです。

 希望、を参加者みなさんに語っていただいています。
 それは決して大きなことである必要はありません。

 口内炎が治った、欲しかった靴のサイズがあった、
 ということでも十分にOKなのです。

 これから市長選挙に向けて政局がざわざわしてきても
 カフェトークの空間だけはいつもどおり穏やかなものであるように
 必ずしていきます。どうぞ安心していらしてくださいね。

 今日もありがとうございました。

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